北朝鮮が中距離弾道ミサイルを日本列島越えで発射
10月4日朝、北朝鮮が北部の慈江道・舞坪里から東方向に1発の弾道ミサイルを発射。5年ぶりに日本列島を飛び越えて太平洋まで飛行し海上に着弾しました。日本列島の飛び越えは通算7回目となります。
- 自衛隊観測:水平距離4600km 最大高度1000km 飛翔時間22分
- 韓国軍観測:水平距離4500km 最大高度970km 速度マッハ17
観測数値からは、中距離弾道ミサイルが通常弾道軌道(最小エネルギー軌道)で飛行した性能だったと推定できます。過去に発射された北朝鮮ミサイルでは「火星12」が近い飛行性能を持ちます。
日本列島を飛び越えた北朝鮮ミサイル・ロケット一覧
- 1998年08月31日 テポドン1号(ミサイル・ロケット開発試験機)
- 2009年02月04日 銀河2号(人工衛星・光明神の打ち上げロケット)
- 2012年12月12日 銀河3号(人工衛星・光明神の打ち上げロケット)
- 2016年02月07日 名称不明(人工衛星・光明神の打ち上げロケット)
- 2017年08月29日 火星12中距離弾道ミサイル 水平距離2700km
- 2017年09月15日 火星12中距離弾道ミサイル 水平距離3700km
- 2022年10月04日 火星12中距離弾道ミサイル? 水平距離4600km
以前から火星12の最大性能は5000km飛べると米軍、自衛隊、韓国軍などから分析推定されており、今回の水平距離4600kmは予想されていた最大性能に近い数字を発揮している可能性があります。
2022年の北朝鮮ミサイル発射一覧(10月4日まで)
- 1月05日朝 1号 「極超音速ミサイル」
- 1月11日朝 2号 「極超音速ミサイル」
- 1月14日夕 3、4号 KN-23鉄道型
- 1月17日朝 5、6号 KN-24
- 1月25日朝 7、8号 巡航ミサイル
- 1月27日朝 9、10号 KN-23車両型
- 1月30日朝 11号 火星12
- 2月27日朝 12号 火星17(予備実験)
- 3月05日朝 13号 火星17(予備実験)
- 3月16日朝 失敗 火星17(推定)
- 3月20日朝 カウントせず(多連装ロケット4発)
- 3月24日夕 14号 火星15?(火星17の偽装説)
- 4月16日夕 15、16号 新型小型SRBM
- 5月04日昼 17号 火星17(予備実験?)
- 5月07日昼 18号 KN-23のSLBM型?
- 5月12日夕 19、20、21号 KN-25?
- 5月25日朝 22号、失敗、23号 火星17予備実験?と極超音速兵器?
- 6月05日朝 24、25、26、27、28、29、30、31号 KN-23・KN-24・KN-25・新型小型SRBM?
- 9月25日朝 32号 KN-23?
- 9月28日夕 33号、34号 KN-23?
- 9月29日夜 35号、36号 KN-23?
- 10月1日朝 37号、38号 KN-23?
- 10月4日朝 39号 火星12?
※これで北朝鮮の2022年のミサイル発射は失敗2発を含め22回の発射機会で41発のミサイル発射となります。予備実験を含め発射成功は39発です。
※弾道ミサイルおよび対地用巡航ミサイルをカウント。多連装ロケットおよび対艦巡航ミサイルはカウントせず。
※3月20日朝に発射された多連装ロケット4発はカウントせず。カウントした場合は23回目の発射機会。
※KN-25は超大型放射砲(多連装ロケット)と呼称されているが、推定直径600mmの上に長く巨大なので短距離弾道ミサイル(SRBM)扱い。
※北朝鮮が発射を報告したのは4月16日発射の新型小型SRBMまでで(翌17日公表)、それ以降は北朝鮮自身による発射報告はありません。
※短距離弾道ミサイル(SRBM) KN-23、KN-24、KN-25
※中距離弾道ミサイル(IRBM) 火星12
※長距離弾道ミサイル(ICBM) 火星15、火星17
※潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM) KN-23改造型
※極超音速ミサイル 固有名称不明、火星12改造
※巡航ミサイル 固有名称不明、北朝鮮保有は地対地型
関連記事:北朝鮮が中距離弾道ミサイルをロフテッド軌道で発射か(2022年1月30日) ※直近の火星12発射の記事