MV-22オスプレイ、実質3年連続で重大事故ゼロを達成
アメリカ海軍の海軍安全センターの資料によると、海兵隊のMV-22オスプレイは実質的に3年連続でクラスA事故ゼロを達成していました。(クラスA事故:アメリカ軍の規定で最も重い事故の分類)
Naval Safety Center Annual Reports
上記リンク先は海軍安全センターの年次報告です。現時点で2018年、2019年、2020年の報告が掲載されています。
MV-22オスプレイ、2018年と2019年はクラスA事故ゼロ
MV-22オスプレイ、2020年はクラスA事故1件。ただし・・・
MV-22オスプレイの2020年のクラスA事故1件は駐機中の貰い事故で、海兵隊に非は無くオスプレイに問題は無いのでカウントしないとすれば・・・2018~2020年の3年間で実質的にクラスA事故ゼロを達成していたことになります。
この2020年5月30日に起きたクラスA貰い事故は、衝突した民間機の回転するプロペラによってオスプレイのプロップローターが砕かれています。
オスプレイの安全性はMV-22を基準に考えるべき理由
なお空軍型のCV-22オスプレイはアメリカ空軍特殊作戦軍団(AFSOC)の特殊作戦機なので、任務と訓練の激しさが通常機とは比べられず、特殊作戦機というだけで事故率は高くなります。特殊作戦機の事故率は特殊作戦機同士で比べないと意味はありません。
特殊作戦機は実戦に投入される機会が多く、非常に過酷な条件で使い続けられます。
【関連記事】空軍型CV-22オスプレイの事故率が高くても問題にならない理由
CV-22オスプレイは2015年の時点で、既に前任の特殊作戦ヘリコプター「MH-53ペイブロウ」の生涯事故率よりも優秀な数値に到達しています。最近数年の事故率は下がったり上がったりしていますが、2020年の時点でもMH-53ペイブロウよりも良い数値のままなので、特に心配は要らないでしょう。
特殊作戦機の事故率が高いといってもそれは任務と訓練での話になるので、基地周辺や移動での飛行のみで比べれば通常機と同じ飛行条件になるので事故率は変わりません。
空軍の特殊作戦機であるCV-22は機体数は少なく、上述の特殊作戦機であるゆえの飛行条件の違いがあるので、「V-22オスプレイ」としての安全性については数の多い海兵隊の通常機(汎用機)であるMV-22を基準に考えるのが妥当になります。