MV22オスプレイがフィリピンのパラワン島に展開

フィリピン、パラワン州プエルト・プリンセサ、第三海兵遠征軍より

2013年1月22日、沖縄県普天間基地に所属するアメリカ海兵隊のMV-22オスプレイがフィリピン軍との合同訓練の為にパラワン島に到着しました。これは23日にフィリピンのマニラにあるアメリカ大使館が発表しています。U.S. Marine Aircraft Group To Train With Philippine Air Force | Embassy of the United States Manila, Philippines

第3海兵遠征軍第1海兵航空団第36海兵航空群第265中型ティルトローター飛行隊(VMM-265ドラゴンズ)に所属する3機のオスプレイは、沖縄県普天間基地から出発し、フィリピンのパラワン州プエルト・プリンセサに1月22日に到着しました。佐世保の強襲揚陸艦ボノム・リシャールに搭載せず、直接飛行してやって来ています。アメリカ海兵隊は低空飛行訓練を行い、フィリピン空軍と合同で管制訓練や貨物搭載訓練を行います。

パラワン島はフィリピンと中国が係争中の南沙諸島が目の前にあります。其処へアメリカ海兵隊がオスプレイに乗って沖縄から約4時間を掛けて、2000km飛行して進出した事になります。佐世保の強襲揚陸艦ボノム・リシャールに搭載せず、直接飛んで行きました。

パラワン島
パラワン島

これまでの海兵隊の主力ヘリコプターはCH-46シーナイトでしたが、航続距離が短く、沖縄から遠距離を飛ぶ事は困難でした。海外展開のみならず、2011年3月11日の東日本大震災では普天間基地に居た海兵隊のCH-46は即座に救援に向かいましたが、航続距離が短い為に給油の為に頻繁に降りなければならず、巡航速度が遅い為に時間も掛り、パイロットの休養も含めると現場の東北まで実質2日も掛ってしまいました。これがオスプレイならば沖縄から東北までの約2000kmを約4時間でひとっ飛びで到着出来ます。沖縄-東北間は、ちょうど沖縄-パラワン間の距離に等しいです。

オスプレイのフェリー航続距離(片道展開能力)
オスプレイのフェリー航続距離(片道展開能力)

沖縄県普天間基地のオスプレイは2012年12月7日に沖縄から約2300km先にあるグアムへ飛行移動しています。2012年10月20日には韓国の烏山基地航空ショーに参加する為に飛行移動していました。そして今度のフィリピンへの飛行移動で、周辺地域の何処へでも直接飛行移動が可能であることを証明する事が出来ました。ティルトローター機のオスプレイは通常のヘリコプターの数倍の航続距離を持ちます。強襲揚陸艦に頼らずに自力で長距離を飛行移動する事が出来るオスプレイは、海兵隊の戦略を根本から変える存在であると言われています。海兵隊は上陸作戦を専門に行う水陸両用戦部隊という性質を変えつつあると考えてもよいのかもしれません。大規模な上陸作戦は朝鮮戦争の仁川上陸作戦以降行われておらず、機会の稀な上陸作戦の為だけに海兵隊を維持する事は非効率だという意見に対して、海兵隊からの回答がティルトローター機オスプレイの大量装備による高い戦略機動力の獲得、つまり海兵隊の空挺軍化です。海兵隊は上陸専門部隊という基本はこれからも守っていくでしょう。それに加えて世界各地の紛争に迅速に対応する能力を手に入れたのです。