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ゴールデンウィークの天気は気温は高めの周期変化 最初と最後は低気圧による雨

饒村曜気象予報士
北アルプス・立山連峰 春景色(写真:イメージマート)

大きな移動性高気圧

 令和5年(2023年)は、1月25日(水)が今冬一番の寒波襲来で、全国の半分が冷凍庫に入ったような厳しい寒さとなったのですが、その後は気温が高い日が続き、3月は記録的な暖かさとなり、北日本でも真冬日を観測しなくなっています。

 4月に入ると、最低気温が氷点下という冬日が減り、最高気温が25度以上という夏日も出始めました(図1)。

図1 夏日と冬日、真冬日の観測地点数の推移(令和5年1月1日~4月27日)
図1 夏日と冬日、真冬日の観測地点数の推移(令和5年1月1日~4月27日)

 4月18日(火)には熊本県の水俣で30.2度を観測し、今年全国で初めて最高気温が30度以上となる真夏日となり、4月20日(木)は、夏日を観測した地点数が、冬日を観測した地点数を大きく上回っています。

 このまま初夏に向かうと思われましたが、今週前半は寒気が南下し、4月25日(火)には、冬日を観測した地点が220地点と(気温を観測している915地点の約20パーセント)もありました。

 4月26日(水)は、前線を伴った低気圧の通過で東~北日本を中心に荒れた天気となりましたが、27日(木)は、大きな移動性高気圧に覆われ、全国に晴天となって気温が上昇しました。

 とはいえ、南下していた寒気の影響が残り、気温が上昇しても平年並みで、夏日を観測したのは2地点しかありませんでした。

 しかし、4月28日(金)は、大きな移動性高気圧に覆われて全国的に晴れる所が多くなる見込みです。西~東日本では南からの暖気流入と強い日差しにより、最高気温が25度以上の夏日となる所が多くなり、身体を動かすと汗ばむ陽気となりそうです(図2)。

図2 予想天気図(4月28日9時の予想)
図2 予想天気図(4月28日9時の予想)

 日差しも強くなりますので、紫外線対策をして水分補給をこまめにしてください。

 一方、北日本は風がやや強く、あすは北海道でにわか雨がありそうです。

高気圧と低気圧が交互に通過

 令和5年(2023年)は、4月後半から高気圧と低気圧が交互に通過する周期変化をしています。

 今回も、高気圧が日本のはるか東海上に去ると、前線を伴った低気圧が東シナ海から日本海を通過する見込みです(図3)。

図3 予想天気図(4月29日9時の予想)
図3 予想天気図(4月29日9時の予想)

 このため、ゴールデンウィークが始まる29日(土)は西日本を中心に、30日(日)は東日本や北日本で午前中を中心に雨が降るでしょう(図4)。

図4 全国の天気(4月29日、数字は左が最高気温・右が最低気温)
図4 全国の天気(4月29日、数字は左が最高気温・右が最低気温)

 そして、翌30日(日)は東日本や北日本で午前中を中心に雨が降る見込みです。

 5月1日(月)~3日(水)は、再び移動性高気圧に覆われ、南西諸島で雨や曇りの他は、ほぼ全国的に晴れる見込みです。

 5月4日(木)になると、再び低気圧の通過によって西日本から雨が降り出し、5月5日(金)にはほぼ全国的に雨が降る見込みです(図5)。

図5 全国の天気(5月5日、数字は左が最高気温・右が最低気温)
図5 全国の天気(5月5日、数字は左が最高気温・右が最低気温)

 高気圧と低気圧が交互に通過することから、天気が短い周期で変わるゴールデンウィークになりそうですので、最新の気象情報を入手し、臨機応変で予定を修正し、安全で楽しいゴールデンウィークにしてください。

 ただ、雨が降っても、気温が高めに推移し、ゴールデンウィーク後半からは、さらに気温が高くなる見込みです。

 このため気象庁は、「高温に関する早期天候情報」を発表し、農作物の管理等に注意するよう呼びかけています(図6)。

図6 高温に関する早期天候情報(情報の対象期間、5月3日~11日)
図6 高温に関する早期天候情報(情報の対象期間、5月3日~11日)

 これによると、北・東日本や近畿、中国、九州北部(山口県を含む)、九州南部、奄美は5月3日(祝・水)ごろからの5日間ほど、四国と沖縄は4日(祝・木)ごろからの5日間ほどは、気温が平年よりかなり高くなる可能性があるとしています。

図1の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

図2、図3の出典:気象庁ホームページ。

図4、図5、図6の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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