台風4号が九州上陸へ

 東シナ海を北上中の台風4号は、進路を次第に東に変え、7月5日に九州に上陸する可能性がでてきました(図1)。

図1 台風4号の進路予報と海面水温(7月4日3時)
図1 台風4号の進路予報と海面水温(7月4日3時)

 台風4号に関する情報は、最新のものをお使いください

 台風が発達する目安の海面水温は27度と言われていますが、台風4号が進んでいる東シナ海の海面水温は27度くらい、またはそれ以下ですので、大きく発達することはないと思われます。

 台風4号の中心付近には、背の高い雲が密集していませんが、雲の渦がはっきりと見えますので、台風の中心部は雨より風が強いと思われます(タイトル画像参照)。

 しかし、問題は台風4号の東側に広がる雲の帯です。

 大気の下層では、台風4号を回り込むように、南から暖かくて湿った空気が流入していますので、上層には強い寒気が入っていませんが、所々で猛烈な雨が降っています。

 7月3日昼前には愛知県小牧市付近で1時間に約100ミリ、昼過ぎには京都府京丹波町南部で1時間に約100ミリ、福知山市南部で1時間に約90ミリ、夜の初めころには福井県福井市付近で1時間に約80ミリという解析雨量を観測したとして、気象庁では記録的短時間大雨情報を発表しています。

 今後、このような局地的な雨や、長期間降る雨によって大雨となることが想定されています。

 コンピュータが計算した7月4日6時から5日18時までの36時間予想では、紀伊半島から四国、九州では、南東斜面を中心として300ミリを超える雨となっています(図2)。

図2 36時間予想降水量(7月4日6時から5日18時までの36時間予想)
図2 36時間予想降水量(7月4日6時から5日18時までの36時間予想)

 台風4号の中心付近だけでなく、西日本を中心とした広い範囲では、6日にかけて土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。

台風の上陸

 気象庁では、台風の上陸を「台風の気圧が一番低い場所が、九州、四国、本州、北海道の陸地に達した時」と定義し、沖縄本島など島の上を通過したときは上陸とはしていません。

 台風4号も、沖縄本島の上を2日23時頃に通過しましたが、上陸とはせず、「通過しました」という情報を発表しています。

 台風4号は、九州のどこかに上陸する可能性が高くなっていますが、台風統計のある昭和26年(1951年)から、昨年、令和3年(2021年)まで、台風は209個上陸しています。

 月別では、8月が一番多く、次いで9月、7月の順です(図3)。

図3 台風の月別上陸数(下の線は平成13年(2001年)以降に上陸した66台風の月別分布)
図3 台風の月別上陸数(下の線は平成13年(2001年)以降に上陸した66台風の月別分布)

 近年は、9月、10月に上陸する台風が増えていますが、7月は台風上陸が多い月です。

 また、都道府県別上陸数をみると、鹿児島県が一番多く上陸しています(表)。

表 台風の都道府県別上陸数(昭和26年(1951年)~令和3年(2021年))
表 台風の都道府県別上陸数(昭和26年(1951年)~令和3年(2021年))

 台風4号が長崎県上陸なら18個目、熊本県上陸なら9個目、佐賀県上陸なら初めてということになります。

【追記(7月5日10時)】

 台風4号は、7月5日6時前に、長崎県佐世保市付近に上陸しました。

 台風統計のある昭和26年以降で、18個目となります。

 令和3年(2021年)は、福岡県と岩手県が初めて上陸しましたが、昭和26年(1951年)以降、台風の上陸がないのは、定義上上陸のない沖縄県と海なし県である8県を除く38都道府県のうち、13都府県です。

 佐賀県など9府県は、図4のようなコースを台風が進めば上陸はあります。

図4 台風上陸の可能性がある9府県
図4 台風上陸の可能性がある9府県

 しかし、東京都や富山県、香川県、岡山県への台風上陸は、曲がりくねった狭い海峡を陸地にかからず通過することは考えにくいので、台風上陸はなさそうです。

タイトル画像、図1、図2の出典:ウェザーマップ提供。

図3、表の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。

図4の出典:筆者作成。