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立春寒波 東京では日中の19度から3度まで急降下

饒村曜気象予報士
地上天気図と衛星画像(2月4日6時)

最低気温の予想は朝の最低気温が対象

 立春(2月4日)の未明は、日本海にある低気圧に向かって強い南風が吹き、暖かい朝のところが多くなっています。

 節分(2月3日)のテレビ・ラジオ放送や、立春(2月4日)の新聞朝刊では、東京の最低気温の予想は10度でした。

 しかし、この最低気温の予想は、2月4日の24時間を対象としたのではなく朝9時までの9時間を対象とした最低気温の予想です。

 2月4日の最低気温の予想ではありません

 気象庁では、あすとあさっての最低気温の予想は、その日の朝の最低気温を予想しているからです(週間天気予報の3日目以降は一日の最低気温を予想)。一日の最低気温は朝に観測されることが多いので、最初から予想するのは朝の最低気温と決めています。

 その意味では、東京で7時6分に8.5度の最低気温を観測しましたので、予報誤差は1度でした。

 しかし、平成31年(2019年)の立春のように、ときどき最低気温が朝ではない時間帯に観測されることがありますので、天気予報を使うときには注意が必要です。

 東京では、立春の日の最低気温は日付けが変わる直前に観測される見込みで、その時の気温、つまり立春の日の最低気温は6度位になる見込です。 

立春寒波

 平成31年(2019年)の立春は、北日本を低気圧が発達しながら通過し、日本付近は北日本を中心に冬型の気圧配置となって寒気が南下してきます(タイトル画像参照)。

 関東地方では寒冷前線が通過して寒気が流入することに加えて、西から移動性高気圧が移動してきますので、晴れて風が弱くなり、強い放射冷却がおきて気温が急降下します(図1)。

図1 予想天気図(2月4日21時の予想)
図1 予想天気図(2月4日21時の予想)

 東京では、18時すぎには10度前後、日付のかわるころには6度位にさがり、2月5日の朝には3度位になります。

 つまり、立春の日の日中は日差しが強いため最高気温が19度位まで上昇するものの、その後は、気温が下がり、翌朝の3度まで、15度以上も急降下します。

 図2は、コンピュータで計算した東京の気温の予報ですが、気象庁の予報官はもう少し気温が上がるとして、2月4日の東京の最高気温の予報を19度と少し高めに修正し、2月5日の最低気温の予想を修正なしの3度で発表しました(図2)。

図2 東京の気温の時系列予報
図2 東京の気温の時系列予報

 立春の日は、遅く帰れば帰るほど、気温が低くなりますで、防寒対策が不可欠です。

2月5日18時追記:東京の2月4日の最高気温は19.4度で予報通り気温が上昇しました。その後気温が急降下し、日付が変わるころの気温は6.7度でしたが、雲が多くなって強い放射冷却にはならず、5日の最低気温は5.4度と3度までは下がりませんでした。

北日本は寒い一週間

 今週は、北日本を中心に強い寒気が断続的に南下しますので、寒い一週間になりそうですが、強い寒気の南下は北日本どまりです。

 東日本では、暖かいときや寒いときを平均すると、平年並みの気温の見込みです(図3)。

図3 東京の週間天気予報
図3 東京の週間天気予報

 そして、西日本は暖冬が継続しそうです。

タイトル画像、図2の出典:ウェザーマップ提供。

図1、図3の出典:気象庁ホームページ。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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