台風24号が日本接近 平成29年は幻となった初の4島上陸
台風の上陸
気象庁の定義でいうと、台風の中心(正確にいうと台風の気圧が一番低い場所)が、九州、四国、本州、北海道の主要4島のいずれかの陸地に達したときが「台風の上陸」です。沖縄本島など、島の上に達したときは「台風の通過」とし、上陸とはしていません。
台風は上陸すると、風速が弱くなって熱帯低気圧に衰えたり、北からの寒気が入って温帯低気圧に変わったりと、台風という形で長時間存在することは難しくなります。
このため、主要4島すべてに上陸した台風は、昭和26年(1951年)の台風統計開始以来、一度もありません。3島上陸が最多です。
幻の主要4島上陸
一つの台風が主要4島すべてに上陸するときは、発達した台風が、主要4島の中心部の山岳地帯を通らないコースを進むときです。
具体的には、発達した台風が、九州南部に上陸し、四国の南岸を通って大阪湾に入り、山脈が低い場所を通って日本海に抜け、北海道西部に上陸するときです。
かなり限定したコースですので、台風統計開始以来、一度もないのですが、幻の主要4島上陸というのはあります。
それは、昨年、平成29年(2017年)の台風18号です。9月17日午前、鹿児島県南九州市付近に上陸後、九州南部を通って高知県西部に再上陸、四国の南岸を通って17日22時頃に兵庫県明石市付近に再々上陸をしています。
そして、北海道南部に再再々上陸をしたとの情報が気象庁から発表されています(図1)。
これで、台風統計開始以来、初めての主要4島上陸になるはずでした。
しかし、後日、資料の見直しが行われた結果、台風18号は北海道上陸する前の9月18日3時に温帯低気圧に変わっていたことが判明し、主要4島上陸は幻となりました(図2)。
北上中の台風24号
大型で非常に強い台風24号が、沖縄県・宮古島の南東海上にあって、ゆっくり北上しています(図3)。
台風の進路予報では、予報円の中心付近を通って日本海にでて、その後は予報円の中心より西を北上して北海道に達すれば、主要4島上陸の可能性があるとおもいます。
台風24号は、主要4島に上陸する、しないにかかわらず、日本全国に影響を与える台風であることには変わりがありません。
台風24号の進行速度は、9月28日以降、どんどん加速して時速85キロにまで達する見込みです(図4)。台風から離れていても、台風の加速が始まれば、あっという間に近づきます。
加速のタイミングの予想は難しい予想の一つです。タイミングのわずかな違いでも、その影響がどんどん拡大し、台風接近の時間帯が大きく変わるからです。
これから台風が接近して暴風警戒域がかかる沖縄地方や西日本は厳重な警戒が必要ですが、東日本や北日本でも、台風24号の前面で活発化する前線による雨や、加速して接近する台風24号による暴風と雨に対する警戒が必要です(図5)。
タイトル画像、図1、図3の出典:ウェザーマップ提供。
図2、図5の出典:気象庁ホームページ。
図4の出典:気象庁ホームページを元に著者作成。