産後うつ 妻が夫に言いたいこと

産後うつの記事に対して、夫に関するコメントが目立つ(写真:アフロ)

産後うつを体験して、現在は母親たちのサポート活動をする女性の物語を記事にした。Yahoo!ニュースにも掲載され、およそ1800件のコメントが寄せられている。「すごい気持ちがわかる」「読んでいて泣けてきた」と共感の内容が多く、最も身近な存在である夫についての意見が目立つ。コメントの一部を、参考になる例や貴重な情報として紹介する。記事はこちら→産後うつ サポート活動をする女性の壮絶体験

●「旦那さんが奥さんの味方に」

[タワーマンション高層階に住んでいたため、ここから子どもを投げ捨てよう。それから私も飛び降りよう。そうすれば全部終わる。子どもが1歳半になるまで毎日のようにそう思っていました]

[虐待する親と、しない親の境目なんてない。核家族で、さらに実家にも頼れない人はどちらに転んでもおかしくない、紙一重の状態で子育てしてる]

このような悲痛な叫びが、いくつもあった。そして[核家族が当たり前の今、まずは旦那さんが奥さんの味方じゃなきゃ]、[なんだかんだ言っても、一番近くでサポートできるのは旦那さんだと思う]とあるように、生まれた子の父親であり産後の母親にとって一番、身近な存在である夫への思いが目立つ。

●「夫に追い詰められ」に賛同1万件

中でも[私は夫に追い詰められました。自治体の支援も大事だけど、男性が育児を甘く見てるのも悪いと思う。教育すべし]とのコメントには、1万件を超える賛同があった。

これに対する返信には、[産後から体調不良が続いていたのですが、そんな中、夫の浮気が発覚しさらに体調が悪化しました。子育ての大変さを理解していなかった夫、体調を気遣うふりをして浮気した旦那のことは一生許せません]、

[激務を理由に子どもの世話なんてしなかった。しまいには、泣きやまない新生児にキレて、「俺の休みを返せ!俺の居場所がない!」とマクドナルドに1人逃げた夫、7年経っても許していません]など、いつまでも恨みが残る例も。

●「母親だろ」「家事育児を完璧に」

妻から夫に助けを求めたのに、その反応に傷ついたという声もある。

[私が勇気を振り絞り「月に1日で良いから自由になりたい」と言ったときの返答は「お前は母親だろ!?」だった。たった一人で、24時間体制で一つの命と向き合うのはしんどいです。今だったら「そういうあんたは父親じゃないの!?」って言い返してたと思うけど、当時の自分にそんな余裕なかった]

[産後うつで立ち上がれなくなり、体重も30キロ台まで行った私に、「おれは仕事を完璧にしている。お前は家事育児を完璧にしろ」「誰が食べさせてやってるんだ」と言い放った夫。このままでは死んでしまうと感じ、子どもとスーツケース一つで逃げました。夫はきちんとした職業で立場もある人間。男性が仕事を「完璧に」しなくてはいけない環境では、男性にも余裕がなく、妻の産後うつなんて知ったことではないのかもしれません]

●プレミアムフライデーよりも…

こうした声から見えるのは、夫の働く環境も影響している現状だ。

[最も頼りであるご主人さんが仕事であてにならない、これが今の日本の現実であり、虐待・道連れ死の引き金になるのでは?サポート体制の充実に加え、男性が育児休暇を取るなど、プレミアムフライデーよりも、そういったシステムを最優先させてほしい]

[夫は家事は苦手です。でも夕方に帰宅できる仕事なので、子どもたちをお風呂に入れ、急な発熱時は病院に連れていったり、夜泣きの時は車でドライブしたり。育児の辛さを泣きながら訴えた時は「よくやってくれてる。わかってる。」と受け止めてくれました。どれ程救われたか]という女性は、こう訴える。

[子どもが小さいうちは、男性も育休は無理でも定時に上がらせてあげてほしい。そして休日は半日でも奥さんに休みをあげてほしい。会社が変わり、夫の理解があればママも赤ちゃんも救われる]

●夫は協力、でも給料は19万で辛い

シビアな現実もある。[夫は18時に帰ってきてものすごくやってくれました。晩御飯まで。その代わり、給料は19万です。家賃もあるし、お金の心配で、ストレスで辛かった]という意見もあれば、激務と育児が重なって夫が病気になった例も。

[産後、夫が激務でうつになりました。(母親の)ケアも必要かもしれないけど、夫の定時退勤を義務づけてほしい。夫が退職して、やっと落ち着いた。私は、夫と二人で子育てをしたかった。この恨みは一生消えない]

●夫のおかげでうつにならなかった

一方で夫への感謝のコメントもあり、不満ばかりではなかった。具体的で参考になる例を紹介する。

[私は、夫がいてくれたおかげで産後うつにならないで済んだと思っています。帝王切開で傷口が痛すぎて、2ヶ月ベッドから動けない生活をしていました。今まで家事はほぼやらなかった夫が、料理と授乳以外の育児家事をして、スーパーでお弁当を買ってきてくれました。産後うつも調べて、休日前は子どもと夫が一緒に寝て私を別の部屋で寝られるようにしてくれたり、休日は子どもと2人でお散歩に行って私が1人になる時間を作ってくれたり。仕事して疲れてるんだから休みなよと言ったら、母親は24時間休みないじゃんと。夫の全てに感謝してもしつくせません]

[末っ子を産んだ時、長男は中学生、長女は小学生で、退院後に休む暇もなく、子どもたちが可愛くて自分のことをすべて後回しにして動き回り、夫も仕事が忙しく、ほぼワンオペ育児でした。産後うつになりかけた時、夫が気づいてサッと病院に連れて行ってくれました。長男長女も末っ子のお世話をかってでてくれ、育児が楽しくなりました]

●大病院やめ妻子との時間を作る

夫の立場からのコメントも、とてもわかりやすいのでシェアしたい。

[妻は産後うつでした。今も育児に対する適応障害が残り自律神経失調がみられます。自分は医師ですが妊娠・出産・育児ってこれほどに負荷がかかり、母親を壊すものであることを思い知らされました。とにかく孤独にしないように寄り添う大切さも実感しました。あと薬の処方よりも、肩揉みとかマッサージしてあげるといいですよ]

さらに、この男性は家族のために仕事を調整したという。

[大病院を辞め勤務を楽にしてもらい、呼び出しもなく家族との時間が作れるようになりました。母親の精神の安定は、子どもを授かった以上は仕事を犠牲にしてでも守らなきゃならないものだと思う。地域では支援とか言ってるけど、他人事感が半端ない。やっぱり旦那がもっと寄り添う必要がある]

[私は男性ですが、子どもの夜泣きが酷く、妻を寝かせてあげたくて子を背負って夜中に外へ散歩に行ったりしましたが辛いと思った事はないですよ。巡回中のパトカーに声を掛けられる事もしばしばありましたが、今ではいい思い出です]と振り返るものもあった。

●家事・育児に注文つきやる気なくす

言葉を選びつつ、不満の思いを表現した男性もいる。

[朝から夜中まで、休日も家族を養うために働く身に、育児も家事もやれと言うのは酷で自分の身体がもちません。少し手伝えば「やり方が違う」「役に立たない」「ちょっとやったからって手伝った気になるな」と言われ、これではやる気になれません。夫の気持ちもわかってほしい。お互いを尊重しながら協力して育児ができると理想ですね。核家族化して親の協力が得にくい、サポート体制が整っていない社会もこの問題を助長しています]

●「奥さんに時間をプレゼントして」

夫への具体的なリクエストやアドバイスのコメントもあった。

[この時期、旦那様は無条件降伏しかないと思います。子どもが少し成長したら、奥さんに1人の時間をプレゼントしてあげてほしい。休みの日は子どもを散歩に連れ出して。この時期のママは受けた恩も、抱いてしまった恨みも、きっと一生忘れられませんから]

[産後うつは、甘えではなく病気です。週に2日、休日があるならそのうち1日だけでも2時間、奥さんに昼寝の時間をあげる。仕事終わりに、15分だけで良いから奥さんの話を聞く時間をとる。これだけでもきっと違います。この少しの気遣いで、死にいたる病を予防できて妻子の健康が保て、自分も結果的に快適に生活できる]

●現状を知ってもらうことが大事

筆者自身、産後の激しいブルーやワンオペ、子どもの病気に苦心して会社を退職。「アラフォー初めて母」にとっては過酷と感じる体験をしてきた。娘が小学生になった今も「母親が子どもの命を預かる負担が大きく、働くにもハンデがなくならない」と痛感している。

保育園のママと夫たちの悪口で盛り上がる時もあったし、夫婦間の産後に対する思いは一生、理解しあえない部分があるだろう。今回のコメントの中で、夫に助けられたという体験談や、夫の立場からの意見など前向きな声もあったのは意外な発見だった。

これから出産する人の不安の声もあったものの、「こうした記事で産後の現実を知ってもらうことが大事」との意見が多く、体験のシェアが役立つのも確認できた。

●夫婦お互いが余裕持てる社会に

最後に、夫婦や働き方の問題を的確に指摘したコメントを紹介する。

[旦那が、奥さんがとそれぞれの性別の中で文句を言ってるうちはいつまでも平行線。旦那の協力&理解が産後うつの対策になるなら、旦那の生活や働き方そのものも考えないとよくならない。共働きをやめれば論が出てるけど、旦那がより仕事しなきゃいけなくなるし、奥さんはより子どもの面倒を見なきゃいけなくなるので逆効果。「お互いが」余裕を持てるようにすることを考えないと]

コメント主の皆さんにご連絡はできなかったが、双方向の記事づくりをしたく、役立つ情報として掲載させていただいた。抜粋したり、表記を統一したり一部、編集した。