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「大人にはなれても、少女には戻れない」。吉本興業発のレビューカンパニー「少女歌劇団ミモザーヌ」とは

中西正男芸能記者
「少女歌劇団ミモザーヌ」のきくたまこと(左)といまもりまなか

 吉本興業発のレビューカンパニー「少女歌劇団ミモザーヌ」のお披露目会が15日に大阪市内で行われました。「サクラ大戦」などを手掛けたマルチクリエーターの広井王子さんが総合演出を務め、11から19歳の少女で昨年5月に結成。トレーニングを積み、今年3月にお披露目予定でしたが、新型コロナ禍で延期になっていました。14人の第1期メンバーの中から、きくたまことさん(19)といまもりまなかさん(17)が今の思いを語りました。

20歳で退団というルール

 きくた:「少女歌劇団―」は20歳になったら退団するというルールなんです。なので、私は今19歳なので、お披露目したばかりなんですけど、活動できる期間はあと1年もないんです。

 新型コロナがあって、お披露目の時期がズレたりもして、さらに活動時間が短くはなったんですけど、みんなでやっと舞台に立てて、本当にうれしかったし、あと1年ですけど、皆さんに恩返しができるように頑張りたいです。

 いまもり:もともとの日からかなり遅れてのお披露目だったので「本当にその日が来るんだろうか」と思うくらい、長く感じられた期間でもあったんですけど、みんなでお披露目を迎えられて本当に良かったなと。

 レッスン・トレーニングの期間は、いろいろな楽曲もさせてもらったんですけど、とにかく基礎練習の日々でした。体幹トレーニングとか、バレエやヒップホップダンスの基礎をやったり。そういう一つ一つが思い出されたりもしましたね。

仲間だけどライバル

 きくた:私は小さい頃から子役として芸能活動をしていて、大人になっても続けていきたいという思いはあったんです。ただ、勉強もあるし、どうしても芸能のお仕事は東京が中心にもなりますし。大阪でその機会がなかなかない中で、この「少女歌劇団―」が結成されるということを知って応募したんです。

 いまもり:私も小学3年の頃からダンスをやっていて、ダンスボーカルグループにも入っていたんです。ステージで歌ったり、踊ったりする楽しさは感じてたんですけど、グループが解散することになって。そんな中で「少女歌劇団―」のことを知って応募しました。

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 きくた:でも、実際に入ってみると、難しいこともたくさんありました。合宿で振り付けの練習をしたり、感情を表に出すトレーニングをしたり。自分ではやっているつもりなんですけど、まだまだ足りないという場面が何回もありました。

 いまもり:私は(総合演出の)広井王子さんに言っていただいて、ずっと心に残っていることがありまして。

 「どんなに嫌いな人がいたとしても、その人の幸せを願える人になりなさい」

 レッスンの中でそれを言われた時に、すごく心に刺さりまして。そして、そんな人間になれたら素敵だなと。どうしても、苦手な人っていたりもしますけど、その人が笑顔になるように。そんな思いを持って過ごすようになりました。

 きくた:あと、自主性が強くなったなと感じています。今までやったら、少ししんどかったら「もう、あきらめてしまおう」と思ったりもしてたんです。でも、このグループに入って“仲間だけどライバル”という存在ができました。

 「あの子のここがいいからマネをしてみよう」とか「ここは負けたくない」とか、そういうことを日々思うようになって、細かいことかもしれませんけど「今日はこれをしないと絶対に寝ないでおこう」とか、そういう自分が出てきたのは変わった部分だと思います。

 いまもり:自分たちのパフォーマンスで笑顔になってほしい。その思いが日に日に強くなっています。少しでも明るい気持ちになってもらえたらなと。

 きくた:最初にお話をしたみたいに、この「少女歌劇団―」は20歳までと限られているんです。それも、すごく素敵なことだなと思っていて。大人にはなれても少女には戻れない。

 まだ咲き誇ってない女の子がグループに入って将来の夢を考えて、その結果、メンバーから日本を背負っていくような女の子が出てくる。そのきっかけになれたらなと。

 トークも難しいし、何か面白いことを言うなんて、さらに難しいですし(笑)、やらないといけないことだらけです。私の場合は、あと1年と決まっていますけど、その中で、精いっぱい頑張りたいと思います。

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(撮影・中西正男)

■少女歌劇団ミモザーヌ(しょうじょかげきだんみもざーぬ)

2019年5月に結成。11歳から20歳までの少女で結成されたレビューカンパニー。20歳を迎えると自動的に卒業というスタイルをとる。第1期メンバー14人は応募総数736人の中からオーディションを経て選ばれた。第2期メンバー9人を合わせ、23人で始動。マルチクリエーターの広井王子氏が総合演出を務め、スタッフには世界的ダンスカンパニー「コンドルズ」の古賀剛らが集った。最年長メンバーのきくたまことは2001年10月1日生まれ。大阪府出身。身長162センチ。趣味はスポーツ観戦。趣味がギターという、いまもりまなかは03年7月1日生まれ。京都府出身。身長162センチ。オリジナル曲「ミモザのように」を発表。第1回公演「Begin~始まりの歌」を12月30日に配信イベントとして開催する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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