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呉昇桓(元阪神)韓国、日本、メジャーの3リーグ通算500セーブ達成 「日本のファンの応援も力になる」

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
オ・スンファンと祝福するブキャナン(写真:ストライク・ゾーン)

サムスンライオンズのクローザー、オ・スンファン(呉昇桓)が6日のNCダイノス戦(テグ)で今季8セーブ目を挙げ、KBO通算セーブ数が378に。2014、15年に在籍した阪神(NPB)での80セーブ、MLB4シーズンでの42セーブを合わせて、日米韓通算500セーブとなった。

記録達成時のスコアボード(写真:ストライク・ゾーン)
記録達成時のスコアボード(写真:ストライク・ゾーン)

オ・スンファンは2005年にタングク(檀国)大からサムスン入り。1年目の途中から抑えを任され、「石直球」と呼ばれたストレートとスライダーでゲームを締めていった。韓国を代表する守護神としてリーグのセーブ記録を塗り替え、日本、メジャーでも活躍を見せた。

しかし昨年40歳を迎え、以前のような球速は出ない中で痛打されるケースも増えていった。今季は4月20日に中継ぎに配置転換に。5月3日には調整のため、日米韓980試合目の登板で初の先発マウンドに上がった。

(関連記事:40歳クローザーの呉昇桓が阪神、メジャーでもなかったプロ980試合目での初先発 5回73球で6奪三振

記録達成後、オ・スンファンは「これで終わりではないので特別な感情はあまりわかないが、今シーズンは家族や周りの人たちが大変な思いをしたので感謝したい。セーブは一人で達成できるものではないので、チームメイトのおかげだ」と話した。

また日本のファンに向けて、「沖縄キャンプで今でも覚えていてくれて、たくさん応援してもらっていると感じた。ありがたい。『韓国にこんな選手がいるんだ』とこれからも伝えられ続ければと思うし、日本のファンの応援が『これからもいい姿を見せ続けたい』という力になっている」と語った。

NPBの歴代最多セーブは岩瀬仁紀(元中日)の407、日米韓でプレーした選手では高津臣吾(現ヤクルト監督)が台湾(CPBL)を合わせて347セーブを記録している。

◇オ・スンファン年度別成績(太字はリーグトップ。6月6日現在)

年度 チーム 防御率 試 S 三振

2005 サムスン 1.18 61 16 115

2006 サムスン 1.59 63 47 109

2007 サムスン 1.40 60 40 69

2008 サムスン 1.40 57 39 51

2009 サムスン 4.83 35 19 51

2010 サムスン 4.50 16 4  19

2011 サムスン 0.63 54 47 76

2012 サムスン 1.94 50 37 81

2013 サムスン 1.74 48 28 54

2014 阪神 1.76 64 39 81

2015 阪神 2.73 63 41 66

2016 カージナルス 1.92 76 19 103

2017 カージナルス 4.10 62 20 54

2018 ブルージェイズ/ロッキーズ 2.63 73 3 79

2019 ロッキーズ 9.33  21 0 16

2020 サムスン 2.64 45 18 39

2021 サムスン 2.03 64 44 57

2022 サムスン 3.32 57 31 51

2023 サムスン 4.01 19 8 18

KBO通算 2.00 629 378 790

NPB通算 2.25 127 80 147

MLB通算 3.31 232 42 252

(関連記事:元阪神・呉昇桓がKBOリーグ通算300セーブ達成 古巣の和田元監督、福原コーチも祝福

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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