元ヤクルト・ブキャナン 韓国チームで呉昇桓(元阪神)ら理解ある同僚との出会い
昨年まで3年間ヤクルトでプレーし、今年からサムスンライオンズ入りした投手、デービッド・ブキャナン(30)は現在、沖縄・恩納村での春季キャンプに参加している。新天地での日々をスタートした彼には良き理解者たちがいた。
サムスンのクローザーは2014年から2年間、阪神で活躍したオ・スンファン(37)だ。オ・スンファンは昨季途中にメジャーリーグから古巣に復帰している。ブキャナンとオ・スンファンは日本球界の話に花を咲かせた。
「ブキャナンとヤクルトの選手の話になって、山田哲人の打撃の話で盛り上がった。そして『セ・リーグの球場は狭い。神宮や東京ドーム、横浜スタジアムではフライボールで打ち取ったと思ったらホームランになった』と言ってましたよ」(オ・スンファン)
セ・リーグの球場のサイズについてはオ・スンファンも日本入りした当時、同じことを言っていた。日米を知る投手同士、今後も共感できる点が出てくるだろう。
またチームのもう一人の助っ人投手、ベン・ライブリー(27)とは久々の再会となった。ブキャナンはライブリーとの縁についてこう話した。
「ライブリーとは2016年にフィリーズの傘下(リーハイバレー・アイアンピッグス)でチームメイトで、ロッカーも隣で仲良くしていたんだ」
昨年8月に途中入団したライブリーにとっても、今春のキャンプは韓国球団での初めてのキャンプ。しかしブキャナンとともにリラックスして練習メニューをこなしている。
ライブリーは「ブキャナンは健康にいい食事を心掛けているので、(本拠地の)テグでの飲食店のアドバイスをしたい」と生活面でのフォローを約束した。
ブキャナンは6日にこのキャンプ2度目となるブルペンでのピッチングで27球を投げ、直球、ツーシーム、カットボール、チェンジアップ、カーブとすべての球種をチェックした。
チョン・ヒョンウク投手コーチ(41)はブキャナンの投球について、「元々、力で投げるタイプではないし、まだ100%の状態ではないとは思うがコントロールは良かった。日本で3年間やっていたので安定感があるタイプだと思う」と話した。
韓国では日本でプレーした外国人選手について「アジアの野球を経験した」ということで一定の評価をすることが多い。ブキャナンについても首脳陣は信頼をして見守っている。
ブキャナンは今季の目標を「同僚とお互い激励して一つになって、プレーオフ進出を目指す」と話した。そしてキャンプインからまだ数日だというのに、通訳から教わった韓国語で「チェソヌル タハゲッスムニダ(最善を尽くします)」と笑顔で口にした。
サムスンは12日にブキャナンが在籍したヤクルトと浦添で練習試合を予定しているが、ブキャナンの実戦登板は今月下旬の見込みだ。