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沖縄キャンプ 最も「歓迎」が多いのはどの球団?

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
カープ坊やと伝統芸能「エイサー」がコラボしたのぼり旗(写真:ストライク・ゾーン)

2月も折り返し地点が近づき、1日から始まったプロ野球春季キャンプは北海道日本ハム、千葉ロッテ、東北楽天、広島、巨人が2次キャンプ地の沖縄本島へと移動する。人口約133万人の沖縄本島に日韓の16球団(日本9、韓国7)が集結するさまは、まさにキャンプ王国だ。

(関連記事:12球団のキャンプ日程が出揃う 韓国球団との練習試合は23試合

その沖縄のキャンプのムードを一層盛り上げるものに歓迎の「のぼり旗」がある。

各キャンプ地では自治体の観光部署、または商工会議所が協力会を構成。球団の訪問を歓迎するのぼり旗(以下、のぼり)を制作し球場周辺を中心に数多く設置している。

人口30万人を超える県庁所在地・那覇市の巨人軍那覇協力会では巨人を歓迎するのぼりを292本準備。協賛企業名の入ったものと選手ごとののぼりを作って13日からの那覇キャンプを待っている。

沖縄セルラースタジアム那覇に設置ののぼり(写真:ストライク・ゾーン)
沖縄セルラースタジアム那覇に設置ののぼり(写真:ストライク・ゾーン)
新戦力ののぼりも(写真:ストライク・ゾーン)
新戦力ののぼりも(写真:ストライク・ゾーン)

本島北部でキャンプを行う日本ハムと阪神はそれぞれ約200本。日本ハムが長年使用してきた名護市営球場は来春のキャンプを目指して現在改修工事中で、ファイターズ名護協力会の担当者は「球場が完成すれば以前のように球場の周りにのぼりを立てられる」と話す。

改修前の名護市営球場。2014年撮影(写真:ストライク・ゾーン)
改修前の名護市営球場。2014年撮影(写真:ストライク・ゾーン)

のぼりがあるのは球場の周りだけではない。球場最寄りの高速道路(沖縄自動車道)の料金所でも連なってはためいている。キャンプを楽しみに沖縄を訪れるファンはインターチェンジを降り、ひいきチームのマークが描かれたのぼりを目にすると、「ワクワク感がさらに高まる」という。

北谷(ちゃたん)公園ののぼり。「ちばりよ~」は沖縄の方言で「がんばれ」(写真:ストライク・ゾーン)
北谷(ちゃたん)公園ののぼり。「ちばりよ~」は沖縄の方言で「がんばれ」(写真:ストライク・ゾーン)

楽天が久米島から移動してくる金武町はKIAタイガースもキャンプを行っているため、町では両球団ののぼりを用意。「楽天とKIA合わせて100本作った」と話した。

昨季のセ・リーグ王者・広島がキャンプを行う本島中部の沖縄市は他を大きく上回る本数を作っている。その数は「およそ700本」とカープ沖縄協力会の担当者は答えた。

その広島を超える本数を抱えるのが本島南部の浦添市をキャンプ地とする東京ヤクルトだ。最も多い800本を数える。

「浦添の地から目指せ日本一!!」のメッセージ入り(写真:ストライク・ゾーン)
「浦添の地から目指せ日本一!!」のメッセージ入り(写真:ストライク・ゾーン)

「今年、緑色を入れた3種類目を作った。新たに380本作ったので合計800本です。協力会会長の号令で増やしました」とスワローズ浦添協力会の担当者男性は力強く答えた。

新調したという緑色が入ったスワローズ協力会ののぼり(写真:ストライク・ゾーン)
新調したという緑色が入ったスワローズ協力会ののぼり(写真:ストライク・ゾーン)

以下が沖縄本島に練習拠点を置くNPB8球団・キャンプ協力会制作ののぼりの本数だ。

 北海道日本ハム 200本

 東北楽天 100本(韓国・KIAとの合計数)

 広島 700本

 東京ヤクルト 800本

 巨人 292本

 横浜DeNA 100本

 中日 30本(協力会で制作の本数)

 阪神 200本

 (本数はおよそ。各キャンプ地協力会の公表、筆者調べ)

本数にそれぞれ差があるが、それは各キャンプ地自治体の規模の大小、またのぼりを企業の協賛で制作しているところと、自治体の予算だけで作っているといった事情の違いがある。本数の多少が歓迎の度合いを表しているということではない。

ちなみに韓国の球団がキャンプを行う自治体でものぼりを作り、訪問を歓迎している。ハングル文字で書かれているのが特徴だ。韓国球団の場合、本数は概ね50本程度だという。

八重瀬町東風平(こちんだ)運動公園でキャンプを行うハンファののぼり旗(写真:ストライク・ゾーン)
八重瀬町東風平(こちんだ)運動公園でキャンプを行うハンファののぼり旗(写真:ストライク・ゾーン)
恩納村のONNA赤間ボール・パークのサムスンののぼり旗(写真:ストライク・ゾーン)
恩納村のONNA赤間ボール・パークのサムスンののぼり旗(写真:ストライク・ゾーン)

海風を受け青空をバックに左右に揺れる各チームののぼり。それは2月の沖縄らしい風景のひとつであり、春の訪れが近づいていることを感じさせてくれる。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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