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「吉田クンより上」 落合コーチ絶賛の韓国U18代表ドラ1右腕

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
サムスンのドラ1右腕のウォン・テイン(写真:ストライク・ゾーン)

かつて投手王国を築き、王者の座に君臨し続けたサムスンライオンズ。しかしここ数年の順位は9位、9位、6位と低迷が続いている。

昨季6年ぶりにサムスンに復帰した落合英二投手コーチ(49)は「今年、計算できるピッチャーは1人もいませんね」と言って表情を曇らせた。

しかし沈んでいきそうなムードを吹き飛ばすかのように、サムスンがキャンプを行う沖縄・恩納村のブルペンでは気持ちの良いミットの音が響き渡った。

その音の主について落合コーチに聞くと「バランスの良さに衝撃を受けました」と興奮気味に話した。

その投手は高卒1年目、サムスンのドラフト1次指名投手、ウォン・テイン(18)。

昨年9月に宮崎で行われた第12回BFA U18アジア選手権に韓国代表として出場し、日本戦の2番手として2回1/3を投げた右投手だ。

キャッチャーのカン・ミンホの言葉に笑みを浮かべるウォン・テイン(写真:ストライク・ゾーン)
キャッチャーのカン・ミンホの言葉に笑みを浮かべるウォン・テイン(写真:ストライク・ゾーン)

現在は右ひじの状態を見ながらの捕手を立たせての投球だが、落合コーチは「フォームがぶれない。18歳なのに完成されている。先日、ウォン・テインを見た中日の関係者もいいと言ってくれた。体つきだけを見た時は金足農の吉田(輝星)君っぽいのかと思ったが吉田君より上ですね」。

ウォン・テインを見つめるサムスン・落合英二投手コーチ(写真:ストライク・ゾーン)
ウォン・テインを見つめるサムスン・落合英二投手コーチ(写真:ストライク・ゾーン)

ウォン・テインは150キロに迫る速球が武器。また打者から球の出所がわかりづらいのも特徴だ。本人は「バッターからボールが見えないように意識しているわけではないが、先輩からもよく言われる。自分の長所は思い切って内角を突けることと、ピンチを楽しめること」と話した。

U18大会でウォン・テインは、今年同じくプロ入りした吉田輝星(北海道日本ハム)と同じマウンドに立ち、小園海斗(広島)、藤原恭大(千葉ロッテ)、根尾昂(中日)らと対戦した。

「藤原がいいバッターだった。変化球、直球どちらにもしっかり対応できていてヒットを打たれたのが一番印象に残っている」

ウォン・テインは打者10人に対し2安打1四球という内容だったが、2本のヒットは根尾の内野安打と藤原のライト前ヒット。藤原には四球も選ばれ、ウォン・テインは藤原との2度の対戦いずれも出塁を許した。

(映像:J SPORTS)

今後のウォン・テインについて落合コーチは「キャンプでは1回くらい投げられればと思っています」ということで、キャンプでの日本の球団との練習試合での登板はない。

(関連記事:12球団のキャンプ日程が出揃う 韓国球団との練習試合は23試合

吉田輝、藤原らと同じくプロ選手としてスタートを切ったウォン・テイン。彼らが次に顔を合わせるのはどんな舞台だろうか。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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