ソン・ドンヨル前監督に代わる韓国の新指揮官は「北京の金監督」 任期は東京五輪まで

11年ぶりに野球韓国代表を率いるキム・ギョンムン監督(写真:ストライク・ゾーン)

韓国野球委員会(KBO)は28日、野球韓国代表の新しい監督にキム・ギョンムン(金卿文)前NC監督(60)が就任すると発表しました。

韓国の代表監督は昨年まで前KIA監督のソン・ドンヨル(宣銅烈、56)氏が務めていましたが、昨年11月、東京オリンピック(五輪)までの任期を待たずに辞任。今回の新監督選出へと至りました。

北京五輪の金メダル監督が再就任

キム・ギョンムン監督は1958年生まれの60歳。現役時代は捕手で、引退後はコーチを経てトゥサンベアーズNCダイノスの監督を歴任し、チームを上位争いの常連へと導きました。

トゥサンで監督を務めていた2007年には韓国代表の監督に就任。翌08年の北京五輪では9戦負けなしの全勝優勝で韓国に金メダルをもたらした監督です。

キム・ギョンムン監督は就任会見で「11年ぶりに代表監督として再びご挨拶することになった。プレミア12、東京五輪という大きい大会を控え、代表チームの監督という立場に重責を感じる。代表チームは言葉通り、韓国を代表する象徴であり顔だ。11年前の北京五輪の栄光を取り戻すためには野球ファンの絶対的な支持が必要だと思う。11年前の夏の夜に感じたような喜びを再び分かち合えるようベストを尽くす」と話しました。

本来はソン監督が東京五輪まで率いる予定だった

韓国の代表監督選考は長らく大会ごとに行われていました。しかし五輪での野球競技が20年の東京で3大会ぶりに復活することが決定。それに先立ち大きな国際大会が続くことから、韓国は17年6月に東京五輪までを任期とする代表チーム専任の監督職設置を決めました。

そこで韓国初の代表専任監督に選ばれたのが、現役時代に国内だけではなく日本でも中日のクローザーとして大活躍した、韓国のスーパースター、ソン・ドンヨル氏です。

ソン監督は選手時代の実績、人気だけではなく、指導者としてもサムスンを2度の優勝に導き、代表チームでは投手コーチとして高い評価を受けました。初の代表専任監督の誕生。それは順調な船出でした。

2017年秋に行われたアジアプロ野球チャンピオンシップに出場した日台韓の監督会見。稲葉篤紀、洪一中、ソン・ドンヨル各監督(左から。写真:ストライク・ゾーン)
2017年秋に行われたアジアプロ野球チャンピオンシップに出場した日台韓の監督会見。稲葉篤紀、洪一中、ソン・ドンヨル各監督(左から。写真:ストライク・ゾーン)

金メダル獲得直後、ありえない屈辱の事態に…

ソン監督は17年秋に行われた24歳以下の大会、アジアプロ野球チャンピオンシップで代表初采配。翌18年夏のジャカルタ・アジア大会では金メダルを獲得し、兵役義務がある選手に免除恩恵をもたらしました。

しかし昨年10月、兵役免除に該当する代表選手の選考に不透明な点があったとする国会議員が、ソン監督に国政監査への証人出席を要求しました。

その席でソン監督は30代の女性議員から見当違いなデータを元に選手選考への問題点を指摘され、さらに60代の女性議員からは「(アジア大会で)優勝するのはそう難しいことではないと皆が思っている。謝るか辞めるか。監督を続けるべきではない」と屈辱的な言葉をぶつけられました。

◇ソン・ドンヨル監督が出席した国政監査の様子

(映像:JTBC News)

また同じく証人として出席したチョン・ウンチャン(鄭雲燦)KBO総裁からもソン監督を擁護する言葉はなく、ソン監督は昨年11月14日、以下の言葉を残して辞意を表明しました。

「金メダルと選手のプライドを守れず惨めな思いだ。スポーツと政治は分離すべき。こういう事例は私を最後にして欲しい」

新監督の使命はまず五輪行きをつかむこと

ソン前監督屈辱の辞任という危機的な状況を救える存在として選ばれたキム・ギョンムン監督。

新指揮官率いる韓国は11月に東京五輪の予選も兼ねたプレミア12に出場し、五輪行きの条件となる台湾、オーストラリアより上の順位を目指します。