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リーグワン1部・第15節私的ベストフィフティーン【ラグビーのサブスク】

向風見也ラグビーライター

 リーグワン1部・第15節は4月14、15、16日にありました。結果は下記。

ブレイブルーパス 52―19 ダイナボアーズ 

ライナーズ 34―33 スティーラーズ

イーグルス 9―11 サンゴリアス

ワイルドナイツ 25―44 ブルーレヴズ

グリーンロケッツ 17―59 スピアーズ

ブラックラムズ 34―36 ヴェルブリッツ

 レギュラーシーズンも残すところあと2試合となったなか、第15節では試合を観ていないファンでも関心を持つような得点結果が並びました。実際に起きていたのは、ラグビーの普遍でした。

 まず今季未勝利だったライナーズがスティーラーズから白星を奪いました。前半の得点機を逃し、最大23点もリードされながら、後半はスクラムで反則を誘ったり、中盤大外のスペースを突いたりして加点。最後の最後にひっくり返しました。

 逆にここまで全勝のワイルドナイツは、今季初黒星を喫しました。

 国内リーグ戦、プレーオフにおける実戦無敗記録は47でストップした。

 対するブルーレヴズがスクラム、接点に服す名をまきこみながらのフェーズアタック、陣地挽回のためのキックで活路を見出すなか、王者は自ら防げる類のミスやエラーに泣いた格好。かえって最終節への引き締めが期待できるような。

 ワイルドナイツと同様、すでにプレーオフを決めてこの節に臨んだのはスピアーズ。ほとんどの接点で当たり勝ったことで、グリーンロケッツに快勝しました。

 かたや今回、プレーオフを決めたのはサンゴリアス。終盤に作り出した得点機を活かし、雨天下でのイーグルスとの上位争いを僅差で制しました。我慢比べで勝ちました。

 かくして4強争い最後の枠は、最終節まで持ち越しとなりました。イーグルスとその椅子を争うのは、ブレイブルーパス。ダイナボアーズとの第15節では、反則で足踏みしながらもスペースをえぐる攻めや走力、推進力で概ね優勢に立ちました。

 敗れたダイナボアーズは、他会場の結果を受けて入替戦進出が決定。その枠を争うひとつだったブラックラムズが、キックオフ直前を含む2度の中断にさいなまれながらヴェルブリッツと接戦。最終局面での反則から僅差で敗戦も、勝ち点1を得ていました。

 本稿では前節に引き続き、際立った選手によるベストフィフティーンをご紹介します。内訳は以下の通りです。

ブルーレヴズ 5名

スピアーズ 2名

サンゴリアス 2名

ヴェルブリッツ 2名

ブレイブルーパス 1名

ライナーズ 1名

イーグルス 1名

ブラックラムズ 1名

 特に際立つ選手は「週間MVP」として無料閲覧エリアでご紹介します。

<週間MVP>

日野剛志(ブルーレヴズ/先発、75分間出場)

 クラブの看板であるスクラムで終始、優勢に運んだ。組んだ瞬間に8人の塊を向こうへ差し込み、そのまま向こうの前列の繋がりを断った。

 得点した直後の前半22分、相手のキックオフからの攻防。自陣22メートルエリア右で相手ボール、味方ボールのスクラムで順に圧をかけ、後者でペナルティーキックを奪う。お次はラインアウトを成功させ、味方と組んだモールを押す。

 さらに反則を誘うと、敵陣ゴール前へ到達してさらにペナルティーキックを獲得。ここではスクラムを選択し、好プッシュでアドバンテージを得る。味方のトライに喜んだ。

 後半14分には、敵陣ゴール前で低い姿勢となって好突進。マロ・ツイタマのフィニッシュを促した。続く21分には中盤で相手のミスボールを拾い、右奥へ蹴り込んだ。

 勝負を決定づけたのは後半31分のトライだったが、その起点も日野らが組んだスクラムだった。

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ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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