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「スタイルに合う選手獲るのが一番」サンゴリアス松島幸太朗、大型補強に私見。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
練習中の松島(撮影は昨年=筆者撮影)

 ラグビーリーグワン1部の東京サントリーサンゴリアスは2月14日、都内で練習を公開。18日の東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場での第8節(対リコーブラックラムズ東京)へ、高強度のセッションで連携を確認した。

 トレーニング後、日本代表でもある松島幸太朗が記者団へ対応。最近のラグビー界の話題に言及した。

「多分、皆さんと一緒のタイミングだと思います。(周りの反応は)あぁ、行ったか…という」

 静かにほほ笑んだのは、ボーデン・バレットの去就に触れた時だ。

 2021年に1季だけサンゴリアスにいたニュージーランド代表のバレットが、来シーズンからトヨタヴェルブリッツに入ると発表された。

 同じニュージーランド代表のアーロン・スミスとの同時加入とあり、周囲の反応は小さくない。

※ 2月15日修正しました。

 松島はこうも言う。

「一緒にやれればどういうメンタリティでやっているのかなどを教えてもらえますし、相手にいれば、盛り上がると思う。そこは、すごく楽しみです」

 もっとも、ラグビーはチームスポーツだ。旧トップリーグ時代から、大物選手の加入がそのチームの成績向上に直結しなかった例はいくつもある。

 南アフリカ、日本、フランスでキャリアを積んできた松島も、その普遍を肌で知る。バレットに関するやりとりにおいても、正鵠を射た。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——いい選手を獲っても勝てるとは限らない。ファンもそう認識し始めています。

「自分たちのラグビースタイルに合っている選手を獲るか、それ(既存のスタイル)に適応できる選手を獲るか(が肝)。トヨタにせよ、他のチームにせよ、自分たちのスタイルに合っている選手を獲るのが一番いいと、僕は思います。まぁ、(仮にそうでなくても)その選手が入って強烈なインパクトを残す場合もありますし、試合になってみないとわからないですが」

——ちなみにサンゴリアスにはどんな選手が合いますか。

「ランニングラグビーをするので、それに慣れていたり、よく走れたりする選手がいいかなと」 

 バレットは最初の来日時、的確な位置取りと華麗なプレーを披露した。

 そのためサンゴリアスへの復帰を希望していたファンも数多くいたが、そうはならなかった。

 関係者によると、サンゴリアスはバレットの日本復帰へ積極的にアプローチしたわけではなさそうだ。

 いまのチームはOBの田中澄憲監督のもと、クラブの文化、攻撃的なスタイルを見直している。海外選手のスカウティングでは、長期的にプレーして財産を残せるかどうかをより重視する。

 バレットがいた21年、ニュージーランド代表経験者のダミアン・マッケンジーがいた22年に日本一を逃したのを受け、田中監督はこのように述べる。

「うちには——(怪我で)出ていないですが——カテゴリーC(海外代表)のいい選手がいます。ショーン・マクマーンと、サム・ケレビ(ともにオーストラリア代表経験者)。その意味では、いまは(来季以降の大物獲得については)考えていないですかね。もちろん契約事なのでそれ次第ですが。

 今回、トヨタさんがあのような獲得をして、神戸(コベルコ神戸スティーラーズ)にもブロディ・レタリック、アーディー・サヴェア(いずれもニュージーランド代表)も行って…となると、周りは『サントリーはどうなるんだ?』となると思います。ただ、現場は、そんなに…という感じです。

 やっぱり、サンゴリアスは長くコミットしてもらう選手に来てもらうべきチームです。何かを残してもらうトップ選手が、本来、欲しい選手。以前はボーディ、ダミアンが(短期で)来ていましたが、基本的に、そういったことは望んでいないです」

 ちなみに先の週末には、都内で日本代表のスタッフと選手の顔合わせがあった。

 代表関係者は、都合により参加できなかった選手の心情を考慮し、スコッドは公にしないと説く。

 もっともサンゴリアスからは、昨秋の活動時に選出されたメンバーが中心に招かれた様子。松島も参加した。

「(ミーティングでは)いままでやっている(ことの)おさらいですね。そして、どういう風に勝っていくか、と。あとはまぁ、メンタリティの部分です」

 昨年は故障明けのためコンディショニングに難儀も、いまはリーグワンで戦いながら復調の兆しを覗かせている。次節も持ち前の走りと判断力で、サンゴリアスの攻めを際立たせる。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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