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「勝つことも重要ですが、チーム作りも重要」。日本代表のリアル。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ジョセフヘッドコーチ(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 ラグビー日本代表は10月14日、大阪・ヨドコウ桜スタジアムでオーストラリアAとの3連戦最終節へ「JAPAN XV」名義で臨む。これまで戦列を離れていた稲垣啓太らを先発に復帰させた。

 シリーズ初勝利が期待されるが、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは「勝つことも重要ですが、リカバリーをしながら選手たちとチーム作りをするのが今後に向けて重要です」と話した。

 12日、オンラインで会見した。

 以下、メンバーと会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

背番号,名前(所属先)…身長・体重・生年月日・キャップ(代表戦=テストマッチ)出場数 ◎=キャプテン

1,稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…186・116・1990/6/2・42

2,坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…180・104・1993/6/21・30 ◎

3,垣永真之介(東京サントリーサンゴリアス)…180・115・1991/12/19・11

4,ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)…201・117・2002/4/11・4

5,ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…195・110・1994/10/13・9

6,リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)…189・113・1988/10/7・75

7,下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)…188・105・1999/1/17・0

8,テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス)…183・124・1996/1/2・12

9,流大(東京サントリーサンゴリアス)…166・75・1992/9/4・27

10,李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)…176・85・2001/1/13・3

11,シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ)…187・105・1998/12/20・9

12,中村亮土(東京サントリーサンゴリアス)…182・92・1991/6/3・30

13,ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…187・102・1997/5/2・7

14,松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス)…178・87・1993/2/26・44

15,山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ)…188・98・1988/6/22・24

16,日野剛志(静岡ブルーレヴズ)…172・100・1990/1/20・5

17,三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ)…180・113・1995/6/8・9

18,竹内柊平(浦安D-Rocks)…183・115・1997/12/9・1

19,ヴィンピー・ファンデルヴァルト(浦安D-Rocks)…188・112・1989/1/6・20

20,ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…187・112・1997/1/20・4

21,齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)…165・73・1997/8/26・8

22,山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…176・84・1994/9/21・4

23,中野将伍(東京サントリーサンゴリアス)…186・98・1997/6/11・5

——流選手の先発入りについて。

「経験のある選手。ワールドカップ日本大会でもスタートで出ています。夏のシリーズは出ていないので、ここでラグビーをすることが重要。調子は良くなっているので、スタートで観てみたい。齋藤直人も頑張っているが、競争は激しい。2人を見ていくなか、今回は流がスタートです。

(流には)ゲームをコントロールしてもらいたい。フォワードが(適切な)位置につくようにして、周りに役割を理解させてほしい。前回の試合では最後の10分で動きがあった(逆転負け)。彼の経験を活かし、コントロールしてもらえたら」

——山沢選手が今秋初のメンバー入り。また、日本大会でもプレーしたファンデルヴァルト選手もリザーブに入りました。

「山沢は前回(7月の対フランス代表2連戦)コロナで試合ができなかった。パナソニックでいいパフォーマンスをしてくれている。今回は次のステップアップ。ヴィンピーは一時、怪我で離れていて、ここからゲームタイムが必要。過去2試合はタイトな接戦でした。ヴィンピーが後半から入ることで、フィジカルで貢献してくれるのではと思っています」

——前回先発した姫野和樹選手が欠場した。

「姫野は選出に入っていません。前回の試合で膝を打っていて、彼のことを考えて治す必要があるためです。ラピース(ピーター・ラブスカフニ)も膝の怪我で出ていません。ここからの試合が大事です(秋はニュージーランド代表などとも対戦予定)。焦らずコンディションを上げていきたい。クレイグ・ミラーもろっ骨を怪我していて、具も100パーセントではない。彼らも今後に備えます。キーの選手は失いたくない。考えながら、慎重にやっていきたいです」

——稲垣選手の復帰について。

「彼もいいコンディションで、チームの色々な場所に貢献してくれます。いつも彼がしているプレーを見せてくれればいい」

——ファンは勝利が見たい。

「パフォーマンスではいい部分はあった。選手は強い意志を持って、コネクトしながらやっていた。ただそれを80分、継続できなかった。雑な部分が出てしまい、キープレーヤーがミスしたこともある。3~4か月間、プレーしていなかったので、いまはチームの形を作り上げていくのが重要です。勝つことも重要ですが、リカバリーをしながら選手たちとチーム作りをするのが今後に向けて重要です」

 ちなみにこの手の会見では、関係者が「試合に関係のないことは聞かないように」とくぎを刺すケースもある。しかしこの日は、ワールドカップフランス大会後の去就についての質問にジョセフが答えた。

「自分としては集中すべきは次のワールドカップ。そこに向けて、チームを成長させるのが重要です。4年に1回しかない、大きな大会です。それに向けた最初の1年はコロナでラグビーができておらず、遅れている。そのため、ラグビーに集中したい。色々なコーチの方々が未来を考えていると思うが、私はこの仕事にコミットする。向こう約1年、自分の仕事ができるように集中したい」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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