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世界一ハードワーカーのピーターステフ・デュトイ、「いい形でジャージィ継承を」【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
突進また突進。(写真:つのだよしお/アフロ)

 2019年にワールドラグビー選定の世界最優秀選手となったピーターステフ・デュトイが、4月5日、オンラインで会見。日本で過ごす初めてのシーズンについて語った。

オンライン会見に参加するデュトイ(スクリーンショットは筆者制作)
オンライン会見に参加するデュトイ(スクリーンショットは筆者制作)

 2019年のワールドカップ日本大会では南アフリカ代表の一員として世界一に輝く。身長200センチ、体重120キロというサイズを活かした突進、タックルに加え、倒れた後にすぐに起き上がる運動量も持ち味とする。

 今季の国内リーグワンではトヨタヴェルブリッツの一員としてプレー。持ち味を発揮している。

 この日の会見では、あとわずかかもしれない日本でのシーズンへの意気込みも語った。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――少ないフェーズで何度もボールを持ちに現れる。どのゲームでも一貫して高いワークレートを示せる秘訣は。

「特に秘密はありません。チームにある個人の役割を全うする。チームからの期待値を達成し、毎試合ベストを尽くすことを心掛けています。もちろん、あまりいい内容ではないゲームもありましたが、それは自然なことです。悪いゲームより、ベターなゲームを増やしていくことも心掛けています」

――日本のラグビーについての印象は。

「日本のラグビーは速い。フィットネスとスピードの両方が高くないといけない。自陣22メートルエリアからアタックをすることもある。ですので、スキルセットも高くないといけない。そういう印象です」

――ご自身が意識していることは。

「個人としてはフィットネス(の強化)。チームにも自分にも自信を与えるきっかけになります。ディフェンスでは、タックル、周りとの連携、タックル成功率を上げるのにフォーカスしています。アタックとディフェンスの両方のバランスが大事です」

――日本での暮らしぶりについて。

「プライベートの生活では家族との時間を過ごせた。日本文化を楽しみながら、妻、子ども、とのクオリティタイムを過ごせた。忙しくなるとそれを忘れがちですが、リラックスして人生を楽しむこと、すべてを無理にコントロールしようとしないことを学べました」

――日本のプレー経験を今後どう活かすか。

「よりスマートにプレーすることが経験できました。常にコンタクトをするよりもボールを動かすこと、コンタクトをコントロールしてサポートプレーに回ることを学べた。これを次のキャリアに活かしていきたいです」

――報じられている限りでは、デュトイさんがヴェルブリッツでプレーするのは今季限りともいわれています。もしそうなら、残された日本での時間をどういうものにしたいでしょうか。

「日本での時間を楽しんでいます。今季は1~2試合、高いパフォーマンスの試合もあれば、コントロール外の出来事がある試合もあり、コントロールできていてもベストなパフォーマンスができなかった試合もある、タフで難しいシーズンであると思っています。いまからはひと試合ずつにフォーカスし、シーズン後半を勝って終わりたい。残りの時間は、トヨタのレガシーを背負いながら、ジャージィをいい形で継承できるよう過ごしたい」

 チームはここまで7勝4敗で5位。残り5試合で上位4強によるプレーオフ行きを目指す。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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