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大学卒業前にスーパーラグビー経験。日本代表入り目指す齋藤直人の強化計画。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
(写真提供=JSRA photo by H.Nagaoka)

 今季まで国際リーグのスーパーラグビーへ日本から参戦してきたサンウルブズが8月8日、東京・秩父宮ラグビー場でファン感謝セレモニーを実施。早稲田大学の4年生ながら今季のチームへ加わった齋藤直人が、世界の舞台で得た収穫と課題を語った。

 豊富な運動量と正確なパスさばきが売りの齋藤は、次世代の日本代表候補との呼び声が高い。スーパーラグビーでは列強国の選手たちのフィジカリティに驚いた一方、「この(自分の)大きさ、スピードをどう活かすかも考えなきゃ」と、自らの強みを見つめ、最大化する考えも見出したようだ。

 齋藤は現在、国内トップリーグのサントリーにも在籍する。

 以下、共同会見中の一問一答の一部(編集箇所あり)

――サンウルブズでの経験で得られたもの。

「トップリーグに外国人選手が増えたなか、(サンウルブズでは)チームメイトを含め外国人選手がいるなかでプレーできたのは経験として大きかったと思います」

――外国人選手とチームを作る難しさは。

「色んな自分が知らないこと――特に外国のこと、文化――を学べる。その過程でお互いのことを知ろうとすることがよかったと思います。ラグビーだけではなく、それ以外の面での知識も得られました」

――スーパーラグビーが中断した3月からチームの解散が決まる6月までの間。

「中断してからできないことが決まるまでは、いつ招集がかかってもいいように実家でトレーニングをしていました。そのなかで、4月からは(サントリーの)社員選手ですので研修も始まり、ラグビーと社業との両立も大変でしたが、そこで言い訳せずに(動いていた)。中断(チームの解散)が決まってからも、サンウルブズではできなくても、自分には日本代表でやりたい気持ちが強いので、そういう気持ちを持ってトレーニングしていました」

――スーパーラグビーで得た収穫と課題は。

「いま、アオテアロア、AU(スーパーラグビーのクラブを中心としたニュージーランド、オーストラリアでの国内大会)を『このチームを相手にしてやっていたんだ』と冷静に観ている。そう振り返ると、今後(サントリーでの)チーム練習が再開した時の自信がつながるのかなと思います。

 足りない部分は――ありすぎるんですが――いちばん感じたのはフィジカルのところ。体格差を含め、同じフィジカルに持っていくのは不可能。この差をどう埋めるのかというより、この大きさ、スピードをどう活かして戦うかも考えていかなきゃいけないと思います。

 チーフス戦、レッズ戦ではスタートで出させてもらって、チーフス戦では(ニュージーランド代表スクラムハーフの)ブラッド・ウェバーにふいに当たられ、飛ばされた。体格差のない選手(ウェバーは身長172センチ、齋藤は165センチ)に飛ばされたというのには自分の未熟さを感じたと同時に、逆にあの大きさでも自分次第でフィジカルを身につけられるとも思いました。それと、ウェバーが抜けたのに(カバーして)追いつけたスクラムハーフとして自信になった。凄さを感じた半面、でも、やれるという感覚を掴みました」

――フィジカルの差を埋めると同時に、いまの資質をどう活かして世界に挑むかを考えていると伺いました。改めて、自分の強みは何で、どうすればそれを活かせるようになると捉えていますでしょうか。

「武器というか、戦えるところは、フィットネス(持久力)、キックとパスの精度。まだまだ伸ばさなければならないですけど、強みですし、強みにしたいところです。これから伸ばさなければいけないのは、そのキック、パスを状況に応じて出せるかの判断のところです。でも、そもそものスキルがないと判断に後れを取る。フィットネスもぎりぎりの体力でプレーしていても、その判断が鈍るというか、いい判断にはならない。ひとつひとつの強みを高めて、状況判断の部分も突き詰めていきたいです」

 精度と持久力は世界でも長所にできる。スーパーラグビーの舞台でそう感じた齋藤は、それら長所を引き上げる流れで課題と捉える状況判断力も高めたいという。

 この日は、海外挑戦への思いも聞かれた。

――今後、海外へ挑戦する気持ちは。

「海外に出たら自分が成長できる環境に身を置ける(のでは)という気持ちはあります。ただ、まだトップリーグでプレーしていない身なので、置かれた立場で結果を残すことにフォーカスしてやりたいです。まずはサントリーで試合に出る。チームメイトには日本代表の9番(正スクラムハーフ)の流(大)さんがいるので、勝負して、結果を残したうえで、その後のことをまた考えていきたいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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