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日本代表の流大、サントリーの一員として惜敗に何語るか。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
前売り券完売だったこの試合の観客数は、21564人だった(写真:松尾/アフロスポーツ)

 ラグビーワールドカップ日本大会後初のトップリーグが1月12日、各地で開幕。流大はサントリーの一員として東京・秩父宮ラグビー場でリーチ マイケルのいる東芝と激突も、序盤に味方選手がレッドカードをもらったことなどが響き19-26で惜敗。試合後、会見した。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

「寒いなかありがとうございます。満員のスタジアムで府中ダービーができたことを誇りに思いますし、観客の皆様にも感謝しています。結果は望むものではなかったですが、大半を14人で戦って1ポイント(勝ち点。7点差以内での敗戦でもらえる)を獲れたことは誇れることです。この1ポイントを分けたのはカジ(梶村祐介)が相手の(トライ後の)ゴールキックへチャージしたこと。これがなかったらこの1ポイントは獲得できない。そういうことができる選手がいて、そういうことができるチームだと再確認しました。サントリーが誇れるチームだと思いました。

 ラグビーの内容については改善すべきところがあります。ペナルティの数は多いし、っとボールを持つ時間を増やしてアタックしないとなかなかサントリーのよさは出てこないです。次にどうしていくかが大事なので、負けは受け止め、次のNTTコム戦に向けていい準備をしたいです」

――15人いた序盤、あまりボールを保持していなかった、

「ボールを持てなかった要因は序盤にペナルティを3つしたことです。ハイタックル、ラインアウトからのオフサイド、あとはゴールラインに近づかれたなかでの反則。そうするとレフリーの印象としても、サントリーにプレッシャーがかかっているように映り、ディフェンスの時間が長くなって、なかなかボールを持つことができませんでした」

――14人になってからは。

「マインドセットのところで、1人ずつがあと3パーセントのハードワークをしようと心がけました。あとはブレイクダウンで人数をかけず、なるべく1人で成立させるように。すると、ディフェンスは機能していたと思います(大外へ追い込むシーンを多数創出)。他には――これはなかなかボールを持つ機会がなくうまくはいかなかったのですけど――ハーフウェーラインを越えたらなるべくボールキープしようとも思いました。あとは相手のペナルティから3点を狙える位置にあれば時間を使いながら着実に点を重ねながら…ということは僕とギッツ、煕(スタンドオフのマット・ギタウ、田村煕)とで話をしていました」

――悔しそうに映る。

「もちろん負けたら悔しいのでそれだけです。相手にリーチ眼がいるとか、相手が東芝だとかは関係なく、チームを勝たせられなかったのは主将として責任を感じています」

――ワールドカップの日本代表でのリーダー陣としてサントリーでは。

「いままでのリーダーシップの取り方はサントリーでも継続しています。監督が代わって、主将も3人(ギタウ、ショーン・マクマーン)。彼らとはオフフィールドのところでチームをどう進めるか、1週間の準備で何を大事にするかの話をしています。メンバーには外国人も増えたので、ご飯を食べる時などには日本人と外国人が別々にならないようにしています。日本代表も多国籍のチームだったのですが、それ(代表で意識したこと)をサントリーでもより意識しています」

――ワールドカップ後の雰囲気について。

「ウォーミングアップの時から名前を呼んでもらえたと感じました。試合中も声援が大きいですし、満員のスタジアムでプレーできることはモチベーションに繋がるのでありがたいことではあります。いろんな地域でトップリーグはあるので、そういうところでも多くのお客さんが入っていただけるよう、エキサイティングなラグビーをしていくのが僕らに求められること。日本のラグビーのレベルを上げていくにはレベルの高い試合を積み重ねていかないといけない。素晴らしい環境でやらせてもらえて感謝しています」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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