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日本代表ワールドカップ8強。将来はどうなる?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
視線の先には何が。(写真:ロイター/アフロ)

 10月20日、東京スタジアム。ラグビー日本代表が4年に1度のラグビーワールドカップ(W杯)の日本大会で初の決勝トーナメントに挑んだ。準々決勝で過去優勝2回の南アフリカ代表に3-26で敗れた。相手のフィジカリティに手こずりノートライに終わった。

 試合後、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチとリーチマイケル主将が会見した。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

ジョセフ

「私は日本代表のすべての人を誇りに思っています。試合に出ていない選手に対してもです。その人たちが協力したからいいチームができた。ファンの皆さん、大きな声援をありがとうございます。スタジアムに来ていただいた方、ホテルに来ていただいた方、振り返ればファンがいました。大きな大会ではファンの声援が力になります。最後の5分。20点以上の差がつきましたが、とにかくあきらめないで立ち上がり試合をした。ケガをしても諦めなかった。コーチとしては嬉しいです」

――率直な気持ちは。日本代表のチームはどんなチームか。どんな大会だったか。

リーチ

「このチームの主将をして本当に誇りに思っています。3年前からジェイミーをはじめとしたワンチームを作り上げてきて、努力してきて勝つためにすべてのことを犠牲にしてきた。今日は南アフリカ代表が素晴らしかった。南アフリカ代表が強みであるスクラム、モールを徹底的にやってきた。それでも80分最後まで。このチームを誇りに思います。サポーターの皆さんに心から感謝します」

――将来チームはどういう方向へ。ご自身の将来は。

ジョセフ

「難しい質問ですね。次何が来るか話ができるのは日本のラグビーがよい方向に行っているということ。トーナメントの経験ができたことが大きい。ジェームズ・ムーアはトンプソン ルークが育成した選手。日本では育成が進み若い選手が成長。こうしたことが日本の将来を担う。私は、この達成を味わいたいと思います。多くの努力が、たゆまない努力が私たちと結果を結び付けました。チームの皆が貢献してくれた。選手も皆も。それによって達成できた。誰か1人にお礼を言うことはできない。国全体でサポートしてくれました」

――今ある気持ちは満足感か。

リーチ

「満足感はないです。ただこのチームでプレーしたことは誇りに思います。満足とか、不満足とか、ないです」

――グラウンド上で円陣を組んだ時にどう声をかけたか。

リーチ

「下を向く必要はない、胸を張って、あとはそのチームを作って主将として誇りに思っている。選手ひとひとりにも今後の姿や態度を見せることが大事(と伝えた)」

――後半の早い段階で稲垣啓太選手と田村優選手を交代させ、ベンチにいた田中史朗選手はなかなか出さなかった。

ジョセフ

「ろっ骨が折れたかなということがあったので、ハーフタイムにその点を確認しなくてはならなかった(田村のことか)。当時、スコアがどうだったかは覚えていませんでしたが、控えを出すか、色々と考えました。そしてその段階ではチャンスを考え、とどまるべきだと考えた。そういうことで田村は(実際に交代が起きたタイミングでの)変更となった。稲垣はかなりハムストリングで心配があった。とにかくフィジカルなゲームでした。南アフリカ代表が相手ですから、南アフリカ代表はフィジカルなゲームに誇りを持っていました」

――ノートライ。相手が強すぎたか。

リーチ

「相手が強すぎた感じではなく南アフリカの強みを100パーセント出して、自分たちがそれに対応できずにという感じでした」

――大男ではない選手が活躍。日本の選手を育成する可能性は。

ジョセフ

「多くの人にインスピレーションを与えたと思う。大きな大会で観客も増えた、我々は変わっていないのに応援が増えた。若い人へのプロモーションには理想的な状態でした」

――日本ラグビーの将来像。

ジョセフ

「他国と違うのは選手は社会人ラグビーでプロ契約。南アはリーグでプロ契約。そうなると選手選択で一貫性を持てるが、私はただの監督与えられた選手をフィールド内雅で協力する必要がある」

リーチ

「私が答えるのであれば、大学が日本の選手、企業も日本の選手を育成しようとしている。日本人の選手も日本のチームで戦いたいと思っている。素晴らしいラグビー選手が日本にいることが分かったということ。いいシステムを作ればどんどん成長できるでしょう」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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