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ワールドカップ日本大会開幕戦。緊張を乗り越え勝利!【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
観客数は45000人以上。(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 ラグビーワールドカップの日本大会が、9月20日、東京スタジアムで開幕した。史上初の8強入りを目指す日本代表は、2大会ぶり出場のロシア代表に30―10で勝利。アイルランド代表など強豪のひしめく予選プールAにあって、4トライ以上獲得でもらえるボーナスポイントを含め、勝ち点5をマークした。序盤から緊張などによるミスを重ねたが、地力の差を示した。

 試合後にはジェイミー・ジョセフヘッドコーチとリーチ マイケルキャプテンが会見した。

ジョセフ

「結果には嬉しく思っています。多くのプレッシャーを感じました。ロシア代表はいいディフェンスをしていて、キックゲームもよかった。このチームは4年間、この開幕戦に向け準備をしてきました。色々なプレッシャーを感じたこともありましたが、それに対してうまくバトルできた。そして30点取れました」

――序盤。リーチ選手を含めハイボールキャッチでミスが多かったが。

リーチ

「風なのか、プレッシャーなのか、ボールがよく見えなかったのか…。全部だと思います」

――照明で球が見えづらくなかったか。

リーチ

「ボールはしっかり見えていました」

――試合前の『君が代』の際、どんなことを考えたか。試合が終わった後どう思ったか。

リーチ

「国歌斉唱。いつもだと相手チームが先でこちらが後でしたが、(今回は逆)。歌の時は自分のやるべきことを意識して、歌いました。終わった後は『緊張を抜けて、来週からいい準備しよう』という話をしました」

――自分たちのペースを掴むためにしたことは。

リーチ

「相手がボールを蹴ってきたのに対して、できるだけアタックをして無理だったら奥に蹴るというプラン。もうちょっと外にタッチキックを狙ってセットでプレッシャーを駆けたかったんですけど、なかなか(キックが)外を出ずに…」

ジョセフ

「この試合へ準備をしたが、やはりこのような(特別な)試合へのトレーニングはできません。最初のキックオフでミスをして、さらにプレッシャーが高まった。それに挑戦しなければいけなかったが、立ち直りました。きょう、(記者から)ロシア代表がどれだけ強いかという話は出ていません。ロシア代表の選手たちにとって、ワールドカップで一番大きな試合がきょうでした。開幕戦はとても楽しんで精いっぱいプレーをしたと思います。ロシア代表の選手、コーチ陣にちゃんとリスペクトを示さなければならない。そのうえで、手綱を締めていきたい」

――3トライを挙げた松島幸太朗選手について。

ジョセフ

「ウイングに福岡(堅樹)だろうが、レメキ(ロマノ ラヴァ)だろうが、松島だろうが、彼らにボールが渡ればフィニッシュができるという武器があるのが大事。外からフェラーリが突進するようなものですね。ただ、その前の選手がいることで彼らがブレイクする」

――ロシア代表について。昨秋対戦した時との印象の違いはあるか。

リーチ

「同じくらい。ゲームプランとかで変わったところもあるけど、ワールドカップで一番ハードな試合は1試合目。今日のロシア代表は強かったです」

――次戦へ。28日は静岡・エコパスタジアムでアイルランド代表戦がある。

ジョセフ

「私たちティア2のチームですが次の相手は世界ランク1位のチーム。今度は難しいテストマッチになります。つまり、プレッシャーはまだ残っている。ただ、今回勝ったことで、街を歩いている間にファンから辛い言葉をなげかけられることはないでしょう」

リーチ

「次の試合でもいままでと同じ準備をして、やるしかないです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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