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早稲田大学・長田智樹、世界で学んだ「意識」の違いとは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真右が長田。(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 早稲田大学ラグビー部で昨季ルーキーながらレギュラーを獲得した長田智希は5月某日、世界で学んだことについて語った。

 東海大仰星高校の主将として高校日本一に輝いた長田は、おもにセンターでプレー。キックチェイスの鋭さやパスをもらう際の位置取りなどで際立つ。

 4月26日~5月4日、20歳以下(U20)日本代表としてオーストラリアでオセアニアラグビーU20チャンピオンシップに参戦。U20オーストラリア代表、U20ニュージーランド代表、U20フィジー代表にそれぞれ14-62、12―87、37―59と敗れていた。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――U20日本代表で何を学んだか。

「海外の選手と日本の選手では、プレーへの意識(が違う)。フィジカルやスキルで差を感じたというより、ひとつひとつの反応、切り替えの速さが違う。足の速さもそんなに変わらないんですけど、反応が速い。トライを取り切るまでのサポートの数も全然、違いました」

――特にU20ニュージーランド代表は、ひとたびU20日本代表の防御網を破るやスムーズにトライを奪っていたような。

「1回抜けたチャンスへの反応は鋭い。逆に日本はそれに反応ができないから、チャンスがあってもつぶれてトライが取れない…ということが続きました。チャンスをトライに繋げきる力は、違うなと」

――その差を埋め、追い越すため個人でしたいことは。

「とりあえずは大学でできることをしっかりと積み重ねる。まだ、(今季)こっちでは試合に出ていないので(19日の流通経済大学戦に先発予定)」

――ちなみにU20日本代表には、パナソニックの福井翔大選手、神戸製鋼の日下太平選手という2人のトップリーグ選手がいました。他の大学生選手との違いはありましたか。

「トップリーグでもっと強い相手と当たっているからか、相手への意識が僕らとは違うと感じました。僕らが世界の選手を見ると『でかいな』『速いな』と思ったりするんですけど、あの2人は雑談のなかで『いや、別に怖くないし』と言う。特に福井なんかは、『でかいのと当たるのが楽しい』って」

 列強国の代表予備軍からは感度の高さ、自軍のプロ選手には経験がもたらす自信の妙を学んだ。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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