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2019年ワールドカップ日本大会へ。日本代表リーチ マイケルの「覚悟」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
主にフランカーとして出場。(写真:ロイター/アフロ)

 ラグビー日本代表のリーチ マイケルキャプテンが12月中旬、都内で取材に応じている。

 

 15歳で来日して札幌山の手高校、東海大学を経て現在は東芝でプレー。2008年から日本代表入りし、ワールドカップには2大会連続で出場中だ。南アフリカ代表などから3勝した前回のイングランド大会では、キャプテンを務めている。

 この日は、2019年のワールドカップ日本大会に向けた共同取材を実施。本稿では、リーチ自身に関する質疑を掲載する。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――15歳で来日した札幌で学んだこと。

「どうやって頑張るか。その頑張り方を学んだ。強くなることを学びました。色んなことに気づいて、自分で強くなるために何をすべきかを必死で考えて、考えて、考えて…。(言葉の壁があったからか)コーチとコミュニケーションが取れない分、コーチに何かを言われてもわからない。だから、自分でどうやって強くなるか(を考えた)。当時は携帯もインターネットも(発達して)いなかったけど、そのなかでどうやって強くなるか、どうやってでかくなるか、どうやってフィットネスをつけるかを自分で考えた。先輩がやるウェイトトレーニングを見て学んだりして」

――世界とフィジカルで戦ううえで大切なことは。

「怖がらないのが一番。ビビったら負け。常に勝てるというマインドを持って、勝つための準備をして戦う。(ビビったことは)あります。でも、覚悟は決めて試合はしています」

――食事について。

「バランスをとっています。身体でかくするために、高校の時はびっくりドンキー、食パンにバター塗って寝る前に食べる。8枚です。いまは食べても、ウェイトしてもそんなに体重は上下しないです」

――ヒョロヒョロだった来日時の自分にどんな声をかけたいか。

「もっと飯食え。ただ、アドバイスはないです。その時も一所懸命だった。毎日、努力していた」

――「覚悟」を意識していると言います。いつごろからか。

「きっかけは、本を読んでから。三崎和雄さんの本です(『「覚悟思考」が結果を出す』と見られる)。覚悟って、何て言いますか。英語で(一同、笑い)。練習する覚悟、試合をする覚悟…。『道場に入る時の覚悟』という言葉もありました。中途半端なことはしない。手を抜いたらお互いに弱くなる。100パーセントでやるから全体的に強くなる…と」

――普段、どれくらい本を。

「月に1冊くらい。日本の本を読んだのは、今回が2回目。1冊目は『ホームレス中学生』(麒麟・田村裕著)。大学の時に『これで日本語覚えろ』とコーチに言われました。感動したのは、読んで理解した話の内容と、映画で見た時の内容が合っていた。(読解が)間違っていなかった。だから、自分のなかで感動しました!」

――改めて、なぜ日本代表でプレーしているのかを伺います。

「昔から日本と繋がりがあって、日本の選手はとても上手。日本に来たら上手な選手がたくさんいるのに、外から日本を見る外国人は日本を馬鹿にする。それがすごく嫌で、僕が代表になって、代表を強くして、日本代表を皆からリスペクトされるようにしたい。フィジー代表、ニュージーランドの代表になる資格(を失ったことに)後悔はない。日本で育った選手だと思っています」

――プレッシャーにはどう打ち勝つか。

「プレッシャーはものすごく好きで、僕はプレッシャーがあった方がいい。プレッシャーにどうやって勝つかはわからないですが、プレッシャーのある状態でラグビーをするのがとても好きです」

――リーチさんにとっての理想の人間像は。

「努力家。遅刻しないとか。…廣瀬俊朗さんですかね(元日本代表キャプテン、現東芝バックスコーチ)。人としてもプレーヤーとしても素晴らしい。賢い。スマート。誰にもフレンドリーなところが好きです。彼は1年目の選手にも上の選手にも同じような話し方をして、フラットに接します。素敵だと思います」

――いま日本代表のキャプテンを続けている意志について。

「僕はどっちかとキャプテンをやりたい。前回の経験もあるし、このプレッシャーも好きだし、今回キャプテンをするのは、違和感がないです」

――日本代表では、多様なルーツを持つ選手をまとめる大変さがありそうです。気を付けている点はありますか。

「外国人選手の人数も増えてきている。日本のチームには、これから先も外国人がいます。どうまとめるか。それは難しくはないです。チームに文化ができ上がっていて、入ってきた選手がそのスタンダードに近づくしかない(状態)。特別扱いは一切ないし。選手が何のためにやるかだけ、はっきりさせています」

――キャプテンとして相談相手は。

「俊朗さんにメールしたり、電話したりしています」

――2019年の抱負は。

「ワールドカップに勝つためにキャプテンが一番強くならなきゃいけない。キャプテンが勉強して、強くなりたいです」

――より個人的な目標は。

「もっと本を読む。勉強、勉強。ラグビーやトレーニング以外のことも勉強したい」

 次回掲載記事では、2018年の日本代表の活動などについての談話を紹介する。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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