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サンウルブズ田中史朗、「休む、休まないはジェイミーに任せたい」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
流キャプテンと定位置を争う。(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

 国際リーグのスーパーラグビーへ参戦3季目のサンウルブズは、3月3日、東京・秩父宮ラグビー場でレベルズとの第3節をおこなう。2013年に日本人初のスーパーラグビープレーヤーとなった田中史朗は、2戦連続でリザーブスタートとなる。メンバー発表前の2月27日、共同取材でチームの現状などについて語っている。

 チームは2月24日、今季初戦にあたる第2節をおこない、過去優勝2回のブランビーズを相手に25―32と応戦している。日本代表のスクラムハーフでもある田中は2013年から4シーズン、ハイランダーズでプレー。当時の同クラブで指揮を執っていたジェイミー・ジョセフは現在、サンウルブズと日本代表のヘッドコーチを兼務している。

 今回、田中は、チームの年間強化計画に対する受け止め方やハイランダーズとサンウルブズの相違点などについて話した。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――改めて、2月24日のブランビーズ戦はいかがでしたか。

「結果的には負けてしまったのですけど、アタック、ディフェンスともいい状態でできていました。細かいミス、簡単にトライを取られてしまったことが敗因になっているので、チームとしては、去年と比べればプラスになりましたし、あれだけできるということはチームの自信にも繋がっています。

(チームは)本当に成長していますし、レベルの高い外国人選手が日本に来ていることで全体的に力は上がっていると思います」

――次戦へ。

「プレー自体はよかったので、細かい部分です。コミュニケーション、自分の役割をしっかりと勉強してくること、だけです。ひとりひとりが大きく何かを変えるということはないと思います。全体のイメージは、皆、しっかり持てているのですが、ひとりひとりの仕事をする部分でまだコミュニケーションが取れていない部分もある。グラウンド外の勉強の部分が足りないの江d、日本人、外国人に関係なく(お互いに)しっかり言って、グラウンドに上がった時には100パーセントフィットした状態でやりたいよね、とは話し合っています」

――流大キャプテンは、「当日はノットロールアウェーの判定が早い傾向があり、それ自分が早く気づくべきだった」という旨の反省をしています。

「僕がやっている時にそれを感じることはなかったですが、やはりレフリーの見解もトップリーグの方とは違います。もっと早く(スーパーラグビーの)レフリーに慣れていかないといけないな、と思う選手も何人かいますね」

――元ハイランダーズの選手が多い。やりやすさは。

「一緒です。トップリーグからもずっとスーパーラグビーでやっていた選手が集まっているので、誰が出ているから、というものはないです。ただ、ヘイデン・パーカーはずっとやっていたのでやりやすいかな、と思う部分はあるかもしれないです。彼はコミュニケーションがうまい選手なので。これはパーカーだから…という意味ではなく、声を出してくれるスタンドオフはやりやすいと感じます。(パナソニックでスタンドオフを務める)べリック・バーンズもよく声を出してくれますし」

――ご自身のパフォーマンスについては。

「よくもなく、悪くもなくという感じです。やることは理解できていたのですが、まだ身体の方は、もっともっとスピードが必要かな、とは感じました」

――田中選手は33歳です。別な場所でのインタビューでは、体力的な衰えを自覚するような発言もされていましたが。

「そういう部分もないことはないですが、今年はプレシーズンにしっかり――完全にしっかりではないですけど――1か月くらい準備できたので、いままでスーパーラグビーでやって来た時よりは体が変わっています」

――トレーニング期間に身体を鍛え込んだことがプラスに働いているのでしょうか。ちなみにジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、6月の日本代表ツアーに召集しそうな選手のサンウルブズでの起用についてこのような見解を示しています。一字一句正確ではありませんが、内容的には「開幕からなるべくベストメンバーでの起用を重ね、5月に一部の当該選手を休ませるなどして調整する」です。

「それはジェイミーの考えなので、僕たちは1試合、1試合、選ばれるために全力でやるだけ。休む、休まないはジェイミーに任せたい。(コンディションは)いまは全然、大丈夫です。まだ始まったばかりですし、フレッシュな状態でできています」

――ハイランダーズ時代といまのサンウルブズの準備状況の違いは。

「ハイランダーズは2か月くらい準備期間があって、スーパーラグビーでは普通(同程度の準備期間が)ある。ですので(サンウルブズの準備期間は)短いのは、短いです。その分、中身の詰まった感じはありますが、スーパーラグビーを戦うためにはもっと時間が欲しいな、とは思います。準備の前に、まだ休まなくてはいけない選手も出てきていると思う。僕はコーチじゃないのでその辺がどれだけ…ということは言えないですが、僕自身ももっと走り込みができればな、とは思います」

――その意を受けてか、徐々にトップリーグの日程が短縮化されています。

「トップリーグはトップリーグで、日本の皆さんに喜んでもらうための素晴らしいステージです。ただ、日本代表を1番に置き、その次に世界と戦うスーパーラグビーを、その次にトップリーグを…という形になれば、代表はもっともっと強くなります。トップリーグは企業スポーツ。企業がこれ(代表を頂点に据えたピラミッド構造)をどう思うかという問題があります。もし企業が代表を応援していただけるのであれば、そういう形(同)がいいとは思います」

――ジョセフのサンウルブズへのアプローチ。

「外国人に対してよりかは少し厳しいとは感じますが、それはジェイミーが日本人の感じ方を理解しているからだと思います。日本人には強めに言わないと…と思っているのかな、と。でも、ここにはできる選手が集まっている。もっと細かいことをやらせようとしている、という感じです。僕らもそれを受け入れ、もっと細かいことをやっていければ、もっといい、プロフェッショナルなチームになっていけるかな、と思います」

――シーズン前半に国内での試合が多い。

「日本のファンの方にとってもいいことですし、僕らにとっても身体に負担がない。日本の試合で勝利を多く挙げ、少しでも精神的に楽になれるシーズンにしていきたいです」

――同じポジションの流大がキャプテンを務めていますが。

「試合に出るために全力でやるだけです。彼はキャプテンシーも持っていますし、能力もありますし、試合にもずっと出ていて、それはチームにとっていいことですけど、僕自身も試合に出られるように頑張れば、相乗効果でチームはもっと上がっていけるんじゃないかと思います」

 相手のレベルズは、スクラムハーフにオーストラリア代表のウィル・ゲニアを起用。サンウルブズのブラインドサイドフランカーで日本代表キャプテンでもあるリーチ マイケル曰く「キーマン」。対面に入る田中は、野球でいう抑え投手としての役割を全うできるか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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