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初戦で6人が怪我。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、試練の時。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
攻撃力は魅力。(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

 国際リーグのスーパーラグビーへ参戦3季目のサンウルブズは、3月3日、東京・秩父宮ラグビー場でレベルズとの第3節をおこなう。

 チームは1日、試合当日のメンバーを発表。日本代表の指揮を兼ねるジェイミー・ジョセフヘッドコーチは前節で大量のけが人が出たことなどについて私見を明かした。

 2月24日には今季初戦にあたる第2節をおこない、過去優勝2回のブランビーズを相手に25―32で惜敗。もっとも試合内容には自信を持っており、指揮官は「我々はやることをやっていく」と強調する。

 2年間で通算3勝のサンウルブズは、今季5位以内を目標に掲げる。

 以下、2月28日の共同会見中の一問一答の一部(編集箇所あり)。

「初戦からけが人が出ました。非常に残念ですが、これが、ラグビーです。特にスーパーラグビーのレベルであれば…。バックスリー(ウイング、フルバックの総称)では、福岡堅樹、松島幸太朗といったトップリーグ後のリカバリーをしていた選手がいるなか、こういう形となりました。ただ、スーパーラグビーに怪我はつきものです。継続的にやっていくしかない」

――初戦で怪我をした選手について。

「ロックのグラント・ハッティングは胸の強打。骨折はありません。走ってはいます。来週は、いけるでしょう。フランカーの姫野和樹は腸腰筋です。プレーはし続けていましたが、日曜の朝にそれが発覚しました。ですので今週はアウトですが、来週は…(戦列に戻れそう)。11、14、15(バックスリー)の3人すべてが怪我をしたのは残念。レメキ ロマノ ラヴァは手の骨折です。彼はできると言っていますが、(患部が)腫れています。キープレーヤーですので、リスクは負わせたくないです。ホセア・サウマキは、前日の練習で膝をひねり、腫れています。再来週くらいには、いけるでしょう。ジェイソン・エメリーは親指の骨折で、明日(3月1日)手術です。この怪我が、一番シリアスです。フッカーのジャバ・ブレグバゼは、膝を少しひねりました」

―― 一度にこれだけの怪我が。

「スーパーラグビーはタフなので、こういうことがよくあります。ただ、骨折が多いのは予想外と言えば予想外です。なぜサンウルブズに外国人が多いのかという、非難にも受け取れるような声がありますが、こういう時のために、揃えておいた方がいいい」

――本来アウトサイドセンターのウィリアム・トゥポウ

「経験です。また、相手のレベルズのバックスは大きい。彼らに対抗するためです。また、彼らはキックが多いが、トゥポウはハイボールの処理もうまい。最近、怪我などで試合から離れていましたが、フィットネスでもパーソナルベストを出している。ハングリーな状態です。フレッシュな状態です」

――リーチ マイケル選手と山田章仁選手の起用理由について。

「山田はウイングにけが人が出たことで選びましたが、もともと彼がいい選手というところもあります。ウイングは競争率の高いポジションですが、今回は山田にチャンスが回ってきました。リーチは、コンディションがいいから起用します。レストを与えたかったですが、ロック、フランカーにはけが人も多いので…」

――レベルズにどう勝つか。

「相手にはワラビーズ(オーストラリア代表)のスクラムハーフ(ウィル・ゲニア)、フルバック(リース・ホッジ、デイン・ハイレットペティ)がいる。レッズに大差をつけて勝っています(メルボルンで45―19と勝利)。我々は、我々のやることをやる。先週はブランビーズを相手にいいスタートを切れました。うまくいかなかったところは細部のところで、コンビネーションの深まっていないところで起きました。このあたりの精度は、試合を進めていくことでよくなっていくと思っています」

 レベルズは18チームで戦っていた昨季、サンウルブズより1つ下の18位で戦い終えている。もっとも今季は移籍選手などを揃えて復活を目指している。大幅な入れ替えを余儀なくされたサンウルブズは、勝利をものにできるだろうか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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