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「文化→スタンダード」。リーチ マイケルが目指す日本代表像は?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
フランカー、ナンバーエイトとして期待される。(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

 ラグビーの日本代表候補合宿が10月15日からの3日間、都内であり(初日は集合のみ)、全日程を終えた17日、キャプテン経験者のリーチ マイケルが選手主導のチーム作りについて私見を明かした。

 9月中旬から定期的にナショナルデベロップメントスコッド(NDS)という候補キャンプをおこなってきたチームは、19日に秋のツアーメンバーを決め、JAPAN XVとして10月に28日の世界選抜戦(福岡のレベルファイブスタジアム)へ、以後は日本代表として4日にオーストラリア代表戦(神奈川の日産スタジアム)、19日にトンガ代表戦(フランスのスタッド・アーネスト・ワロン)、26日にフランス代表戦(フランスのUアリーナ)へ挑む。

 2015年のワールドカップイングランド大会でキャプテンだったリーチは、同大会以来のキャプテン就任が期待されている。

 ニュージーランド出身の日本人であるリーチは、札幌山の手高校、東海大学を経て現在は東芝に在籍。スーパーラグビーでは今季まで3シーズン、ニュージーランドにチーフスで活躍してきた。

 今回は、短期合宿のスケジューリングに関する疑問などに応えた。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ体制が発足して、丸1年が過ぎたところです。

「ゲームプランが少し変わってさらに良くなると思います。フッカーとナンバーエイトの役割が変わるのは面白い(両者の攻撃時の役割が以前と変わる)。ブレイクダウン(接点)がすごく大事になる。タックルされた後の寄りのスピードが大事になる」

――国内のトップリーグの試合の直後に短期合宿。疲れている選手もいたようですが。

「今回の練習はそんなタイトな内容じゃない。そこまでバチバチにはやっていないですし。プライオリティーは代表です」

――リーチさんは、以前から代表選手にあるべきスタンダードを作りたいと話していましたが。

「いまは(代表チームにあるべき)文化を作っている段階で、チームが発表されたら、スタンダードを作らないといけない」

――前回大会の2年前と比べ、いまの状況はどう映りますか。

「ワールドカップ経験者が少ない。最高の舞台でパフォーマンスを発揮できるか…。ただ、レベルはかなり、上がっています。若い選手は自信がつけていて、エナジーを持っている。(自らの経験は)言って、見せて、伝えていくしかない」

――若い選手に伝えたいことは。

「今は伝えるより、ゲームの理解度と、どんなチームになりたいか(という考え)を頑張って作っている。チームが発表されたら、ワールドカップで力を発揮するためのプレーの質、練習を教えないといけない」

――では、リーチさんはどんな代表チームを作りたいですか。

「外から見てリスペクトできるようなチームにしたい。(どうリスペクトされるかと聞かれ)それは、1人では決めることはできない」

 現在の代表では、多様な状況が折り重なったことでイングランド大会経験者は減少傾向にある。その反面、国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズのメンバーが「自信をつけている」とのことだ。経験者を軸とした、選手主導のチーム作りの成否に注目が集まる。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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