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サントリー松島幸太朗、日本代表へは「強みを出し、選ぶ側にプレッシャーを」【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ピンチとチャンスに顔を出す。この国が誇る花形選手の1人。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 日本最高峰のラグビートップリーグが8月18日、各地で開幕する。

 前年度に全勝優勝を果たしたサントリーにあって、鍛錬の成果が表れているのが日本代表の松島幸太朗。前年度のトップリーグ期間中から、試合を重ねつつフィジカリティ強化をおこなうプランを遂行。日本のサンウルブズに入ってスーパーラグビーを戦うなかでも、筋量をアップさせてきた。

 日本代表では希望のフルバックの他にウイング、アウトサイドセンターでもプレーする24歳。ノンストップで突入する国内シーズンへ、抱負を語る。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――最大88キロまで増量しました(身長178センチ)。

「夏場はすごく暑いので、少し落ちましたが。相手に囲まれた状態でもボールを獲られなかったり、(タックルを)外せるようになった。あとは、相手との距離感を大事にして、ラインブレイクをしていきたい。ジャムしてくる(守備列が前に出てくる)場合は(自身の立ち位置を)深めにして、という感じですね」

――休みなくラグビーを続けていますが。

「やっぱり、シーズンの最後にピークを持っていきたい。徐々に、焦らず、チームとともにピークに行ければ」

――頭のなかに最高潮の時をイメージしながら、目の前にやってくる試合へも全力を尽くす。

「スタンダードは高く持ちつつ、最終的にはいいプレーができるように」

――日本代表は今年6月のツアーを1勝2敗で終えました。11月の再合流に向けては。

「6月の選考の感じだと、誰を使うかはまだわからない。もし外されたとしても、自分なりにやることは変えず、常に高い水準でプレーできるように。きちんと1試合、1試合、目立つように、プレーの安定性を持っていれば、自分的には満足。それができれば、自分的にはモチベーションは保てる」

――確かに6月のツアーでは、対アイルランド代表2連戦のさなかに大幅なメンバーチェンジがありました。希望ポジションの申し出、しにくそうですが。

「自分の強みを出していれば、逆にメンバーを選択する側にプレッシャーをかけられる。自分は、強気でやっていきたいです」

――日本代表のフルバックは、譲りたくないということですね。8月8日に東芝とおこなった練習試合(東京・サントリー府中スポーツセンターで61-17と勝利)では、味方がボールを奪った瞬間に最後尾から駆け上がり、球をもらって相手防御の裏へキック。日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチが求めそうなプレーを、自然な形で遂行していたような…。

「もちろん、戦術というのはあると思う。ですが結局は、スペースに攻めるのが一番。選手が自立してできる環境にしたいので」

 南アフリカはプレトリア生まれ。ジンバブエ人の父を持ち、神奈川の桐蔭学園高校卒業後はスーパーラグビーのシャークスのアカデミーに挑んだ。

 人に流されない人は今季もただただ自己研鑽に励む。ナチュラルに「スペースを攻め」た結果、ボスのニーズに応える。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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