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サンウルブズ助けるサム・ワイクス、日本代表に「正直に言えばなりたい」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
スクラムでもハードなプッシュで評価を受ける。(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦2年目の2017年シーズンを2勝13敗で終えたサンウルブズに、サム・ワイクスというオーストラリア人戦士がいた。

身長197センチ、体重109キロ。ポジションは大男の揃うロック。カーリーヘアと、長い手足を活かしたオフロードパスが特徴の29歳だ。今季はサンウルブズ入り1年目ながら、空中戦のラインアウトでは捕球位置を決めるリーダー的な役割を担う。7月には、2008年から8シーズン在籍のウェスタン・フォース時代から通算し、スーパーラグビー100キャップ(試合出場)を達成した。

スーパーラグビーのシーズン中、サンウルブズや今後の日本代表入りについて思いを明かしている。

以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――シーズンを追うごとのサンウルブズの進化について。

「ニュージーランド遠征では(大敗した初戦の)クルセイダーズ戦以降、色んなことを学べました。このチームのいいところは、長い遠征に対して誰も文句を言わないところです。それは私たちのチームがよく組織立っている証拠とも言えます」

――裏を返せば、他のチームはそうではない部分もあると。

「スーパーラグビーの仕組み上、長い遠征に出なくてはならないことは皆、わかっている。それでも国によって、違いはあるでしょう。ただ、そこで不平を言うのか、苦しさを自分の糧にしてよりよいマネージメントを考えていくのか。どちらかと言えば、後者の方がいいですよね」

――サンウルブズの選手には、後者が多いのですか。

「その通りです。そのためにスコッドもだんだん大きくなっているのだと思いますし、遠征に行く人、行かない人ともに自身のマネージメントをよくしている。それは世界のラグビーにとってもいいことだと思います」

――ラインアウト時のリーダーシップについて伺います。練習前、その週末のゲームで使うサインを確認する際は、あなたが中心となり輪を作っています。

「選手の入れ替わりが多いため課題はありますが、成長しています。それぞれの選手が、私たちがやろうとしていることをやろうとしてくれています」

――最後に、日本代表入りへの希望は。

「正直に言えば、もちろんそうなりたいです。チャンスを与えられたら、そのチャンスを掴みたいです。ただ、いまの時点ではサンウルブズでしっかりとプレーをする。なぜなら、いまサンウルブズでやっているラグビーは自分でも経験にないもので、楽しんいるからです。勝てた喜び、勝てそうで勝てなかったという感覚…。それぞれが次の試合への糧になっています」

国内のトップリーグでは前年度まで2季、コカ・コーラに在籍。今年度からはパナソニックで輝きを放つ。代表資格取得にあたる「国内居住3年以上」のクリアは、そう遠くはない。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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