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サンウルブズ・山中亮平、「LINE」で「体重落ちた」に私見。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
都内の報道陣に向け、現地から貴重なメッセージ。

国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズは現在、南アフリカ遠征中。日本時間の7月9日未明、敵地ケープタウンのDHLニューランズスタジアムでストーマーズとの第16節に臨む。同7日、アウトサイドセンターで先発する山中亮平が、無料通話アプリの「LINE」を使ったテレビ電話での共同取材機会に応じた。

日本代表と連携強化を図るサンウルブズは、同2日未明、ヨハネスブルグのエミレーツエアライン・パークでライオンズに7―94と大敗。発足2シーズン目にして最多失点を記録していた。今季は残り2試合とあって、大幅な改善が期待される。

サンウルブズには昨季から在籍する山中は、東海大仰星高校、早稲田大学を経て神戸製鋼に入った29歳。日本代表としては2015年のワールドカップイングランド大会のバックアップメンバーとなり、アイルランド代表などとぶつかった6月のツアーにも参加している。

取材では、国内外で休みなくシーズンが続く状況下での体調管理についても言及した。

以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――先週の試合後はがっかりしましたか。

「僕自身、試合に出ていたので、結構、切り替えるのも難しい感じもあった。ただ月曜日には、ストーマーズ戦に向けて気持ちを切り替えられたかなと思います」

――改めて、ライオンズ戦の敗因は。

「前半から自分たちのプランを遂行できない部分が何点かあって。前半の入りはよかったんですけど、ターンオーバーされて一気に取られたり、ディフェンスでは1対1で負けていて、コネクト(連携)が切れて1人になってしまった。そこの修正は必要かなと思います」

――普段から2人がかりでのダブルタックルを目指していたサンウルブズですが、この日は「コネクトが切れ」た。なぜだと思いますか。

「1対1で(目の前の)相手しか見ていないというところがあって、横(味方)とのつながり、コミュニケーションが取れていないところがあった。そこで、もっと余裕を持って横とコネクトしながらディフェンスするのが大事だなと思います」

――パスがどちらへ飛んでも、ランナーを2人で挟み撃ちにできるよう「横とコネクト」するイメージですね。

「そうですね。1対1で負けているのもダメなんですけど、そこをできる限り(隣のタックラーが)サポートしないといけないと思います」

――苦戦の中、見えた光明は。

「ボールキープをして自分たちのアタックができればトライをとれた。それを継続できればよかったかな、と思います」

――なぜ、それができなかったのか。

「最初のキックオフからのディフェンスで止めたかったけど、そこで行かれて、自分たちの流れにできなかったですね」

現象面に基づき、防御の連携とタックルに敗因を見出しているようだ。試合前の準備については「準備自体はできていたと思うんですけど、練習中からの激しさは、もしかしたら足りなかったかもしれないです」とも語る。

「今週はそこ(激しさ)を(意識して)取り組んできました」

ここからは話のなかに出た「1対1」に関し、話を掘り下げる。

――6月の日本代表ツアーと関連付けて伺います。日本協会の薫田真広・15人制強化委員長が「2015年時に比べ選手の平均体重が3キロくらい落ちている」と発言していますが、いまのストレングス強化プランについてはどうお感じですか。例えば、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ時代のそれを踏まえてお話いただくと…。

「(合宿中心の前体制時と違い)いまはずっとシーズンが続いているのもあって、体を作っていくトレーニングよりは試合に向けたトレーニングが多くなっている。そういう部分では、体重は上がるというより、落ちる選手もいるのかな、と」

――そんな折、山中選手の身体はいかがですか。

「僕は体重、増えてます。去年のトップリーグシーズンより3キロぐらい増えています。いまは98キロです(身長は188センチ)。外国人は強いので、こっちのフィジカルもこれくらいあったほうがいい」

――試合続きの折、体重を増やせているわけは。

「うーん…。ウェイトとかもやっていますし…。あとは練習後のリカバリー、食事を摂ることとかは意識しています。特にこれで体重が上がった、というものはないです」

――つまり、日々の生活態度の延長線上に体重アップがあったわけですね。

「そうですね」

日本代表とサンウルブズを掛け持ちするサイモン・ジョーンズストレングス&コンディショニングコーチは、常に選手の走行距離を測定。しかしある主力格によれば、日本代表選手の肉体強化に関しては「選手任せになっている」。筋力数値のチェックや今後のパワーアップの必要性などについては、今後もチェックが必要か。

苛烈な環境下で体重アップに成功している山中はまず、「(今季)はあと残り2試合。1つひとつ、目の前の試合に集中する。また前回がああいう試合だったので、同じことを繰り返さない」。短期的目標にフォーカスする。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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