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ヤマハ復帰の五郎丸歩。ゴールキックのフォーム、変わりましたか?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ゴール裏には、この姿を捉えるべくカメラマンが殺到。

7月3日、静岡・ヤマハ大久保グラウンド。日が落ちても蒸し暑さが残るなか、ヤマハラグビー部が全体練習を終える。

それぞれが個人練習に移ると、集まっていた記者、カメラマンらが一斉に身構える。

五郎丸歩が、ゴールキックを蹴るからだ。

6月までフランス一部リーグのトゥーロンでプレーしていた五郎丸は、この日、チームに復帰。抜群の知名度を誇る人気選手とあって、グラウンドには多くの報道陣が集まっていた。

2015年のラグビーワールドカップイングランド大会で日本代表だった五郎丸は、やはりゴールキックの動作たるルーティーンを代名詞としてきた。胸の前で手を合わせ、一定の歩幅でボールへアプローチする。その動きをまねる人が続出した。

ところが日本に戻って来たこの日、五郎丸はフォームをやや変質させていた。ショートパンツを掴み上げた手は胸の前で合わせず、そのまま足を振り抜いた。

練習後の共同取材時、その心を語った。

以下、記者会見の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――フォームの変化は。

「試合に出ていないなくて暇だったので、ちょっといじっただけです。キックティーを変えたくらいで…。基本は、あまり変わっていないですよ」

――手の形は。

「そこは僕にとって、そんなに重要じゃない。皆さんにとっては重要でしょうけど。(大事なのは)体重移動です。ずっとトゥーロンでも(練習中は)こういう形で蹴っていました」

変化を嫌えば、進化と無縁になる。そんな真理に基づいてか、五郎丸は自らのプレーにマイナーチェンジを加えている。

チームは8月18日にトップリーグの初戦を迎える。

――練習前にコメントは。

「日本人なので、挨拶を。これからよろしくお願いします、と」

――初練習の感想は。

「久しぶりに練習でこんなに走って…。開幕まで6週間あります。しっかりとフィジカルを上げたいです。合宿を挟むのでコミュニケーションをもっと取って、いい感じで…」

――北海道合宿中の練習試合では、数多くの出番がありそうです。

「休んでいた(トゥーロンで出番が限られていた)ということで、試合感覚を戻すのに必要な時間。前向きに捉えていきたいです」

――モチベーションは。

「ワールドカップが終わってから内側から湧いてくるものが少なくなっていたのですが、海外に行ってフレッシュになって、また内側から湧いてくるものがでてきた」

ファンが期待する日本代表に向けては、慎重な構えだ。

2019年のワールドカップ日本大会出場に向けては「先を見てというタイプじゃないので、1日1日しっかり大事にしてやっていきたいと思います」と即答。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ率いる現体制のスタイルへの意見を聞かれても、「何をどういう意図でやっているかは100パーセント理解できていないから…。角が立つので」と紳士的に断る。

ぶれずに我が道を行く。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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