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アイルランド代表へ反撃。日本代表・松島幸太朗は何を「ない」→「ある」にする?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
昨季の国内シーズン終盤から、試合期でも筋量アップに注力。激しさが増す。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

ラグビー日本代表は6月24日、東京・味の素スタジアムでアイルランド代表とテストマッチをおこなう。17日には静岡・エコパスタジアムでの同カードを22-50で落としていたとあって、リベンジが期待される。松島幸太朗が意気込みを明かした。

ジンバブエ人の父と日本人の母との間に生まれた松島は、身長178センチ、体重88キロの24歳で、日本代表としては2014年にテストマッチデビュー。歴史的3勝を挙げた2015年のワールドカップイングランド大会では、予選プール全4試合に出場した。

2016年以降はグラウンド最後尾のフルバックを務めてきたが、前回の試合ではタッチライン際のウイングでプレー。今回はそのひとつ手前のアウトサイドセンターで先発する。

大敗した翌週に同じ相手とぶつかるにあたり、松島が何を意識するか。23日、試合会場での前日練習後に思いを明かした。

以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――今日の練習を終えて。

「自分たちのラグビーができるように、今日の練習からやっていこう、と。ゲームの最初から勢いよくできれば。前回を踏まえ、ブレイクダウン(球の奪い合い)、フィジカルのところで試合を支配したい。力強いプレーをして勢いに乗って、お客さんがそれに続いて声援を送ってもらえれば、また、力になる。まずは自分たちがいいプレーをしていきたい」

――相手の印象は。

「スマートにラグビーをする。ラン、キックのメリハリがある。それに対応して、今度は自分たちがそう戦うように持って行きたいです」

――アウトサイドセンターのポジションでは。

「フォワードが疲れてきた時もしっかりとコミュニケーションを取って、連携を強く作っていきたいです。常にコミュニケーションをしているという状態を作っていきたい。細かいコミュニケーションがあれば、大分、変わる」

――それは、最初の試合で感じたことですか。

「疲れてしまった時に声が出なくなって、それが皆に伝わってしまって、全員がコミュニケーションを取っていないという状況が続いてしまった。それを、変えていきたい」

桐蔭学園高校卒業後は南アフリカのシャークスアカデミーへ武者修行。日本のサントリーに加わったのは、当時のジャパンのメンバーに入った2013年以降のことだった。緊迫した試合では激しさと連携が試合を左右すると感じたうえで、「フィジカル」と「コミュニケーション」をキーワードに掲げたのだろう。事前の意思疎通で、防御網の綻びなどは未然に防ぎたい。

司令塔のスタンドオフには、高校時代の同級生だった小倉順平が入る。一緒に先発するのはその時以来という松島だが、「練習で何回かパスをもらいましたが、全然、違和感なくできている。お互いのやりやすいプレーはわかっているので、そこは楽しみたいです」。精神面を敗因とされた第1試合の課題を具体的に把握し、リベンジを期す。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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