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日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、大野均離脱も勝利目指す!【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
トニー・ブラウンアタックコーチとチームを前に進める。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

ラグビー日本代表は6月17日、静岡・エコパスタジアムでアイルランド代表とぶつかる。15日、当地で本番に向けた準備は大詰めを迎えていた。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが意気込みを明かした。

昨秋着任以来、キックを交えたち密なコンビネーションを標榜。トニー・ブラウンアタックコーチとの二人三脚で、アンストラクチャーからのアタック(攻守逆転の瞬間や相手キックの捕球からの攻め)をち密に練り込んでいる。

10日はえがお健康スタジアムでおこなわれたルーマニア代表は33-21で制したが、後半の連続失点などに課題を残した。特にモールへの防御で後手を踏んだとあって、非公開練習時に高強度でのセッションで改善を図ったとのこと。次のアイルランド代表もフォワード戦を得意とするだけに、成果が問われる。

14日には大野均が知念雄とともに戦線離脱。ロックの位置が手薄となるなか、同選手の展望を明かした。

以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――98キャップ(テストマッチ=国際真剣勝負への出場数)を持つロックの大野選手が途中離脱しました。経緯を伺えますか。

「ハムストリングで肉離れを起こしました。このままチームに残ればメンバーに入る可能性もあり、大きな記録(100キャップ)が達成されたかもしれなかった。このような結果になり、残念に思っています」

――6月中の復帰予定は。

「診断結果とメディカルのアップデート次第ですが、最新情報はまだありません。それを見て、決めていきたいです」

――東海大学のフルバック野口竜司は2試合連続で先発。かねて正フルバックだった松島幸太朗はウイングに入ります。

「前回いいパフォーマンスをしたので、より強い相手との試合でチャンスを与えました。こういった試合のプレッシャーにどれぐらい耐えられるかを見たい。山田章仁が負傷したことで、松島をウイングに。質の高いウイングを左右で使えることは、チームにとって健全です(左ウイングは福岡堅樹)。松島はウイングもセンターもフルバックもできる器用な選手。色々なところで起用することでチームのためになると思っています」

――改めて、アイルランド代表戦に向けて勝利のポイントは。

「アイルランド代表はアメリカ代表にも50点差をつけていた。ラインアウト、スクラムも安定しています。強いチームです。我々にとってのキーは、自分たちのスタイルを確立することに尽きます」

――テンポを速くし、セットプレーの数を減らすイメージか。

「そんな簡単なことではないですが、もちろんそういう戦いを試みます」

――ルーマニア代表戦を受け、修正したことは。

「先週からの課題としてこだわってきたのは、モールディフェンスです。ルーマニア代表にも試合中盤にプレッシャーをかけられて劣勢に陥ったところがあるので。あとは、スクラム、ラインアウトのところ。ロックが減ったのは痛手ですがこだわって重点的におこないました。セットプレーから質の高いボールを勝ち取れれば、相手に大きなプレッシャーをかけられると思います」

フランカーのリーチ マイケル曰く、タックルとその後の起き上がりを重ねて相手のキックを誘発し、ここから持ち味の攻めを発動したいという。描くプランを具現化すべく、1つひとつの動作に意識を込めたい。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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