ラグビー日本代表は6月10日、熊本・えがお健康スタジアムでルーマニア代表とのテストマッチに挑む。今回のメンバー中唯一の大学生選手である野口竜司は、グラウンド最後尾のフルバックとして先発。9日は試合会場での前日練習に参加し、意気込みを語った。

21歳の野口は、今季は東海大学でキャプテンを務める。グラウンド最後尾のFBを担う。身長177センチ、体重86キロと決して大柄ではないが、防御網を切り裂く際のボディバランスを特徴とする。ピンチの局面では、日々の研究に裏付けされた判断力で危険地帯をカバーする。

代表デビューは2016年の4月30日。神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場でのアジア・ラグビーチャンピオンシップ(ARC)初戦で、韓国代表を85-0で制圧した。同大会では全4試合に出場(うち先発は3試合)。今季のARCでは全4戦でスターターを務めるなど、若手中心のメンバー編成時は多くの出番を勝ち取ってきた。

海外勢を含めたベストメンバーで臨むテストマッチでの出場は、今回が初。昨秋就任のジェイミー・ジョセフヘッドコーチは「能力は高い。自信を持った選手であることが大きい」と期待する。

以下、野口の共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――アジア以外の地域とのテストマッチは初。先発の座を掴みました。

「やるべきことはクリアなので、やってきたことを出したいです。(心境は)緊張といいますか、少し違う部分はありますが、やることは明確。相手のフィジカリティが強いなかで、自分がそれをどれだけできるかが重要になってくると思います」

――先発を言い渡されて。

「個人的に(ジョセフから)何かを言われたわけではないですけど、練習中、(役割が)クリアになっているかと確認されましたし。自分自身、クリアになっていることが確認できる」

――何に注力をするか。

「大外のブレイクダウン(接点へのサポート)は自分の仕事。そこではクオリティを上げないとだめだと感じています。あとはキックを蹴り合うなかでの自分の判断も重要になる。ウイング(最後列両端)と一緒に、どうアタックするのかを連携を取ってやっていきたい」

フルバックの役割のひとつには、相手の蹴ってくるキックへの的確な対処がある。

相手のプレッシャーを受けるなかで正確に捕球し、次の一手を選ぶ。陣地を取り返すために前方のスペースへ蹴り出すか、味方にパスをつなぐか、思い切りよく仕掛けるか…。相手防御の陣形や味方のサポート状況を踏まえ、その場ごとのベストジャッジを下したい。

――最後尾でボールを受け取った後、蹴るか、走るかの見極めについては。

「味方のフォワードの状態も見ながら、蹴る場面、カウンターをする場面かが変わってくる。ウイングとコミュニケーションを取って、自分で行けると思ったらどんどんカウンターを仕掛けたいです」

――後ろから大声で連携を図ります。

「(年齢が)上の人からも、どんどん言っていこうと言われていて。ポジション柄、コミュニケーションは取っていかなきゃいけない。ただ、練習を通してまだまだ足りていないと自分自身で感じます。試合中、もっと発信していければと思います。(グラウンドは)広く感じますけど、観客席からは遠い。声は通りやすく、話しやすい」

今度の先発を受け、2019年のワールドカップ日本大会は視野に入ったか。本人は「こういう代表に呼んでいただいていることによってそういうものが身近に感じています」としながら、「そのなかで足りないものも感じている」とも続ける。

頭のなかで「クリア」になっているタスクを、ハイプレッシャー下でいかに遂行し切るか。それが今後の試金石となりうる。