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サンウルブズ今季初勝利も、殊勲者との連携に「宿題」?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
この日のラファエレはパス、タックルで光った。(写真:Haruhiko Otsuka/アフロ)

国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦2年目のサンウルブズが4月8日、本拠地の東京・秩父宮ラグビー場で今季初白星を挙げた。

第4節で屈した南アフリカのブルズを、21-20で制した。課題視されていた組織的な防御が修正され、スクラムハーフの田中史朗らこの週から復帰の主力候補が光った。

試合後はフィロ・ティアティアヘッドコーチとティモシー・ラファエレゲームキャプテンが喜びの声を残した。

以下、会見中の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――気持ちは。

ティアティア

「とても嬉しい。集合した2月上旬から選手はハードワークしていた。成長できたことにハッピーな思いです」

――デビューしたナンバーエイトのラーボニ・ウォーレンボスアヤコ選手が先制トライ。持ち味を発揮しました。

ティアティア

「彼はまだ21歳。デビュー戦でトライを取れて嬉しく思う。成長段階ですが、スポーツ、人生にとって素晴らしいことは、成長を続けられることです。後半から出たスタンドオフの田村優も、大きくチームを率いてくれた。スタンドオフでは、ヘイデン・クリップスも前半いい形でゲームを進めてくれた」

――ゲームキャプテンはいかがですか。

ラファエレ

「とてもハッピーですが、同時にブルズに称賛を送りたいです。はるばる東京まで来て素晴らしい試合をしてくれた。選手たちはこの勝利を待ち望んでいた。嬉しく思っています」

――前回と比べ。ディフェンスが改善された。

ラファエレ

「ミスが少なかった点が勝利の要因。キックチェイスも改善しました。1週間を通してコミュニケーションを高めた。横にいる人と、繋がる。それができたと思います」

――いままで終盤の失点が目立ちましたが、きょうはラスト20分間で逆転勝利。

ティアティア

「リザーブの選手の意識が変わっていた。落ち着いていた。彼らにはゲームプランを遂行してエナジーを与えるようにと伝えたつもりです。(スクラムハーフの矢富勇穀がボールを蹴り出して試合を終えた最後について)ほかのコーチは皆、『ボールを出せ』と言っていましたが、私はトライを取りたいと欲が出た。ただ、最終的に矢富がボールを出したことについては彼の判断を尊重したい」

――復帰組のパフォーマンスについて。

ティアティア

「最終的にそういう選手がよくなじんだ。ただ我々に宿題をもたらしてくれた印象もある。チームに溶け込むことへは時間がかかった。知らないことがあまりにも多く、コーチとして情報をシェアするのが課題と思いました。(以後の遠征時は)同じミスはしないでいきたい」

司会者が「質問はあと2つ」と申し出ると、指揮官が自らマイクを持った。

「あと1点、私から、申し上げたいことがございます。我々のリーダーであるヴィリー・ブリッツのお父様が、今週の頭に亡くなられました。昨日告別式でした。エドワード・カーク、立川理道両キャプテン、ここにいるティモシー、そして私が代表し、追悼の意を表したい。サンウルブズのテーマは、兄弟です」

――これからニュージーランドとアルゼンチンへ遠征に出かけます。

ティアティア

「ニュージーランドはいいチーム揃い。金曜にはクライストチャーチでクルセイダーズと対戦。心待ちにしています。これから、まず選手が家族と会う機会を設け、数時間後に移動。世界中を飛び回るので、家族との時間を大事にしたい。秩父宮でのファンは素晴らしい。彼らの声がいまも(会見場の外から)聞こえる。ファンのサポートが、特に後半、我々を押し上げてくれました」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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