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サンウルブズの「モンスター」は日本代表狙う。リアキ・モリ、好調ぶりを語る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
人垣へ突っ込むさまは迫力満点。普段は穏やか。(写真:アフロ)

身長198センチ、体重118キロ。長髪を頭頂部で束ね、あごにはひげをゆらりと伸ばす。愛称は「モンスター」だ。

国際リーグのスーパーラグビーへ日本から挑むサンウルブズは、4月8日、東京・秩父宮ラグビー場でブルズとの第7節をおこなう。加入2年目のリアキ・モリが、朴訥とした語り口で決意を明かした。

今季、激しさの問われるロックのポジションで開幕から5試合連続出場中(うち4試合に先発)。特にチーターズに31―38で惜敗した第3節では、昨季を含めて過去最高となるボールキャリー14回、タックル数13回を記録。マン・オブ・ザ・マッチに輝いた。

連敗ストップを目指す今度の試合でも、活躍が期待される。

以下、取材時の一問一答(編集箇所あり)。

――今季、昨季以上のインパクトを感じます。

「よりダイナミック、スキルフルになって、選手1人ひとりがオーナーシップを持つようになりました。全員がリーダーとなる文化ができています」

――モリさんご自身も、好調のようです。

「フォワードのプラットフォームの1人としてやっているだけです。フォワード皆がいるから、自分が良く見えるのだと思います。自分1人がドミネートしているのではなく、チームがドミネートしている。ゲームプランがうまくいくため、それぞれが仕事をしている。私はスーパーラグビー7年目。今年、自分自身がそれほど変わったわけではありませんが、楽しむというマインドセットを持つようにはなりました。チームメイトのことを兄弟と呼びますが、いい兄弟に恵まれ、家族やファンのためにプレーしています」

――次の試合に向けて。第4節でも戦ったブルズから、今季初白星が欲しい。

「2回目の対戦です。彼らの状態は知っているので、もっと自信を持って、アグレッシブに望める。我々の、プレーをします」

――相手が得意なモールを自陣で組まれないように…。

「そうです。セットピースは避ける。特に(空中戦の)ラインアウト。もし起こったら、(その後のモールを未然に防ぐべく)空中でコンテストしたいと思っています」

ニュージーランド出身の27歳。2010年にオークランドの州代表、20歳以下ニュージーランド代表に選出されるなど、母国で将来を嘱望された。

肩の怪我を乗り越えた2012年からは、やはりニュージーランドのブルーズで3シーズン、スーパーラグビーを経験。いまは日本代表入りへ意欲を覗かせ、3年以上の居住で資格を取りたいところだ。

――ご家族の話が出ましたが、奥様が日本のルーツを持つようです。

「日本とトンガのハーフです。福岡で生まれた人です。ニュージーランドで出会いました。もしチャンスがあれば、日本代表のジャージィが着たい。ほかの日本人選手と同じ思いです」

――日本代表のロックと言えば、同じサンウルブズの大野均選手がいます。98キャップ(国際真剣勝負への出場数)を誇る38歳です。

「レジェンドです! 去年のサンウルブズで彼に出会った時は、そんな年齢だと思わなかったです。彼の仕事には感謝しています。フィールド内外で彼がしてきたたくさんのことを見て、尊敬しています」

献身的なプレースタイルは、「尊敬」する「レジェンド」と同じ。日本代表と同じスタイルで戦うサンウルブズにあって、黒子の系譜を歩む。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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