次の試合を観に行くためのトップリーグ週間ベスト15(第1節)【ラグビー雑記帳】
日本最高峰のラグビートップリーグ第1節(8月26~28日)の私的ベストフィフティーンを紹介します。これからラグビーを好きになってもらう方の見どころ探しに活用していただければ幸いです。
今回は、遅ればせながら第1節の15人を発表します(敬称略)。備考は文末にございます。
1 左プロップ
仲谷 聖史(ヤマハ)…3連覇中のパナソニックを相手にスクラムで圧倒。身長170センチという小柄なサイズの身体で、相手の塊の深部へ差し込む。
2 フッカー
日野 剛志(ヤマハ)…仲谷、右プロップの伊藤平一郎とともに、勝因となったスクラムを先導。
3 右プロップ
ルアーン・スミス(トヨタ自動車)…豊田自動織機を相手にスクラムで優位に立ち(相手を仰向けにさせてのペナルティートライもあった)、攻撃でも防御の分厚いところへぶち当たる役目をこなした。身長188センチ、体重122キロの強靭な体躯は、画面に映れば大抵、前進している。
4 ロック
トンプソン ルーク(近鉄)…タックルしては起き上がって、またタックル。その運動量で、皆が揃って前に出る近鉄防御網に穴を開けなかった。昨年限りで日本代表を引退も、リフレッシュした状態がかえって運動量を引き上げているか。
5 ロック
アンドリース・ベッカー(神戸製鋼)…ランナーを押し戻す防御役、ラインアウトからのモールでの芯など、役割を全う。
6 ブラインドサイドフランカー
グラント・ハッティング(クボタ)…身長201センチの体躯で相手を掴み上げたり、低く腰を落として相手にぶち当たったり。空中戦のみならず地上戦でも躍った。次点は、パナソニック戦の相手ボールの密集を飛び越えたモセ・トゥイアリイ(ヤマハ)。
7 オープンサイドフランカー
安藤泰洋(トヨタ自動車)…密集に身体を差し込んでは、少しずつ相手の攻めのテンポを鈍らせる。いわゆる「7番」の仕事を貫いた。
8 ナンバーエイト
アダム・トムソン(キヤノン)…要所で敵の反則を誘うジャッカル、相手ボールラインアウトでのターンオーバー。読みの鋭さが活きた。
9 スクラムハーフ
ルイ・シュラウダー(クボタ)…東芝相手の後半から登場し、ロスタイムの猛攻など(味方の落球で逆転勝利ならず)を先導。接点から拾い上げてから仲間へパスするまでの動作が速く、対戦した日本代表キャプテンのリーチ マイケルも称賛。
10 スタンドオフ
重光 泰昌(近鉄)…目の前の守備網に隙間ができるやパスを呼び込み、トライ。多くはないチャンスにあってシャープなプレー選択。
11 ウイング
山田 章仁(パナソニック)…フォワード陣がヤマハのスクラムに難儀するなか、後半に2トライ。ベリック・バーンズの作ったチャンスにそつなく顔を出した。
12 インサイドセンター
ベリック・バーンズ(パナソニック)…開幕戦を落とすも、筑波大学4年生のスタンドオフ山沢拓也を隣でサポート。後半途中からスタンドオフに入るや、攻めを活性化させた。パスダミー(パスをするふり)で相手をだまして真っ直ぐ駆け上がり、再び相手が自分のほうを見たら改めてパス。簡潔で難しい技術。
13 アウトサイドセンター
イェーツ スティーブン(トヨタ自動車)…豊田自動織機戦の前半25分には、ゴールラインと平行な軌道のパスへ駆け込んでハットトリックを達成。その直前のフェーズでは十分な間合いを取ってのランで相手防御網を蹴破っていた。スペースを見つけ、えぐる。
14 ウイング
アンダーソン フレイザー(神戸製鋼)…前半終了間際に約40メートルの独走トライ。後半32分にはだめ押しとなるトライを得意の形で(193センチの長身とばねを生かし、司令塔からのキックパスを捕球!)。
15 フルバック
ジェイミー・ジェリー・タウランギ(サニックス)…外国出身者バックスラインの競演。リズム感あるステップで魅せた。
<備考>
・ポジション解説は以下のURLのテキスト文中の「■」部分をご参照ください。
2019年W杯に向け…。ラグビー版「ドラフト会議」スカウティングレポート?(前編)
2019年W杯に向け…。ラグビー版「ドラフト会議」スカウティングレポート?(後編)
・背番号4、5(両ロック)、背番号6~8(フォワード第3列)と背番号11、14(両ウイング)は、ポジションの類似性から当日のゲームとは異なる背番号で選出させていただいていることがあります。
・基準は独断ですが、なるべく「その試合での勝利(もしくは勝利を目指す過程)に貢献した選手」をご紹介します。
・次節以降の詳細などはこちら。