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リアン・フィルヨーンが語る、サンウルブズ日本人選手の成長。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
タックルを受けながらのパスも魅力。(写真:伊藤真吾/アフロスポーツ)

国際リーグであるスーパーラグビーは、今季も残すところあと2節となった。

日本から初参戦しているサンウルブズは、目下、通算2度目の南アフリカ遠征を実施中。7月9日にはプレトリアでブルズと、15日にはダーバンでシャークスとそれぞれぶつかる(いずれも現地時間)。2月からの13戦の戦績を1勝11敗1引き分けとするチームは、敵地でのタフな遠征で2、3勝目を目指す。

あまり勝ち星こそ挙げられないなか、今季初めてこの舞台に立ったメンバーは確かな手応えを掴んでいる。ワラターズ戦など過去3試合でゲームキャプテンを務めた立川理道は、海外の列強とぶつかり合う環境について「スキル(肉弾戦を制する身体の使い方)の向上は、高いレベルのなかでもできている」と証言した。

このような日本人選手の成長を認めるのが、リアン・フィルヨーン。サンウルブズのフルバックとして、13戦中12戦で先発した33歳だ。

身長185センチ、体重90キロ。鋭い出足のライン参加、ロングキックで魅せる。過去にはシャークスの一員としてスーパーラグビーを経験しており、2014年にはNTTドコモ在籍を通して日本を知った。本人にとっては自然な流れで、日本初のスーパーラグビークラブと契約。充実感を得ているようだ。

7月2日、東京・秩父宮ラグビー場でのワラターズ戦は12―57と大敗も、フィルヨーンは約57メートルと長距離のペナルティーゴールも決めるなど、存在感を示した。試合後の取材エリアでは、当該のプレーや日本人選手の成長ぶりについて語っている。

以下、その際の一問一答の一部(編集済み。※は当方質問)。

――まず、長距離のペナルティーゴールを振り返ってください(※)。

「練習通りです。(ゴールを)越えてよかった」

――自分から蹴ると言ったのですか。

「ハル(立川)から『行けるか』と聞かれて、『もちろん』と」

――サンウルブズの日本代表組は、6月のスコットランド代表との2連戦を経験。彼らがここでのテストマッチ(国際間の真剣勝負)で成長した印象はありますか。

「彼らはテストマッチでどこが変わったかというよりは、シーズンを通してずっと成長してきている。田村優はトゥシ・ピシ(サモア代表)が怪我で不在となったいま、最高の10番(スタンドオフ)を果たしてくれています」

――では、シーズンを通して成長した選手は。

「笹倉康誉です(ウイング。ここまでパナソニックのフルバックとして活躍し、今季、国際舞台へ初の本格参戦)。田村もスーパーラグビー初年度で10番を務めるのは難しいなか、大変な役割を果たしている。立川もタフな試合を重ねていて…。サンウルブズは、こうしたメンバーを揃えている。本当にいいチームだと思っています」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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