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1分でわかるスコットランド代表戦の収穫と課題? 日本代表・稲垣啓太が語る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
サンウルブズでプレーする稲垣。硬質なタックルが魅力。(写真:伊藤真吾/アフロスポーツ)

4年に1度あるワールドカップの自国大会を2019年に控えるラグビー日本代表は、6月18日、愛知・豊田スタジアムでスコットランド代表とのテストマッチ(国際間の真剣勝負)をおこない、13―26で敗戦した。

25日に東京・味の素スタジアムで再戦するにあたり、収穫と課題を明確かつ具体的に語ったのは稲垣啓太。サンウルブズの一員として国際リーグのスーパーラグビーでプレーするプロップだ。

身長183センチ、体重115キロの26歳。昨秋のワールドカップイングランド大会で歴史的な3勝を挙げた日本代表のメンバーでもあり、かねて万事を言語化する能力に定評がある。

18日の日本代表は、前半8分にハーフ線付近のペナルティーキックからの速攻でトライを決めるなど、持ち味を発揮。相手との体格差に劣るなか、1対1のつば競り合いで伍した。しかし、一時退場処分が重なり13人でプレーする時間もあるなど反則に泣き、球を持ち込んでのミスがかさんだ後半残り25分間は無得点だった。プレーの起点であるスクラムは終始互角も、前半はレフリーの判断で日本代表のしばし反則が取られた。

以下、試合後の稲垣の一問一答の一部(編集箇所あり。※は当方質問)。

――スクラムについて。前半は故意に崩すコラプシングという反則を取られていましたが、後半は改善しています(※)。

「最初、向こうがかけてきたんです(組み合う前の掴み合いの際、相手が自分たちに圧力をかけてきた)。それも本当はプレエンゲージという反則なんですけど、レフリーがよしとしていた(間もなく日本代表は崩れ落ちた)。そこ、ですかね。治したのは。向こうのプレエンゲージを我慢するのではなく、こちらも仕掛ける、と。そのグレーゾーンのせめぎ合いをした時に、優位に立てた」

――その意味では、次戦への課題はレフリーの癖への反応(※)。

「そうなりますね。幸いにも来週も試合があります。いい準備がしたい」

――身体のぶつけ合いで欧州6強の一角とほぼ伍した。理由はありますか(※)。

「普段の練習から、2メーターフォーカスと言っています。タックル、ボールキャリー、ブレイクダウンで相手をはがす行為、相手を掴んで倒す時、全て、2メーターゲインします、と。きょうも、その2メーターの意識があった時はイーブンになれた。そうでない時は、やられていました」

――唱えているのはマーク・ハメットヘッドコーチ代行。サンウルブズも率いています。

「サンウルブズの時から、ずっと言っていますね。いまのジャパンはサンウルブズのいい文化も引き継いでいるので」

――スーパーラグビーを通してレベルアップを感じる部分。

「個人の力量、フィジカルで負けていないとは感じます。そのうえで来週、自分のなかでは、あそこを攻めよう、みたいな考えもあります…」

――チャンスを失った場面。どうすれば改善できますか(※)。

「陣地を返して(敵陣に入り込んで)、(決めれば3点のペナルティーゴールなどで)スコアすることです。(着実に加点すれば焦りは軽減する、という意味か)」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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