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スコットランド代表のヴァーン・コッターヘッドコーチ、日本代表戦抱負語る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
欧州6か国対抗時の指揮官。今度もイングランド大会組を多く揃え、本気。(写真:ロイター/アフロ)

6月18日、25日に敵地で日本代表とテストマッチ(国同士の真剣勝負)をおこなう欧州6強の一角、スコットランド代表のヴァーン・コッターヘッドコーチが、16日、第1戦目に向け抱負を語った。

日本代表にとって、スコットランド代表は3勝を挙げた昨秋のワールドカップイングランド大会で唯一敗れた相手。18日の第1戦は、愛知・豊田スタジアムで19時20分、キックオフ。

ニュージーランド出身のコッターヘッドコーチは、現役時代には母国以外にもイタリア、フランスでプレー。2005、06年にクルセイダーズのフォワードコーチを務めた際は、今回の日本代表でヘッドコーチ代行を務めるマーク・ハメットとともに仕事をした。14年度までの9シーズンはフランスのクレルモン・オーヴェルニュでヘッドコーチを務めた。同国代表を率いたワールドカップイングランド大会では8強入りに輝いた。

以下、16日のメンバー発表会見中のコッターヘッドコーチの一問一答の一部(編集箇所あり。※は当方質問)。

――スタンドオフのフィン・ラッセルら主力は怪我。

「コンビネーションを合わせ、6か国対抗(2~3勝にあった伝統のリーグ戦。2勝3敗に終わった)のよかった部分を出す。日本代表にも怪我人がいますが、彼らは選手層が厚くなっているのではと思います。ディフェンスもいいし、ゲインラインを切れば、次に出たボールを上手く使ってくる。(攻撃では)ラックから大きく展開したり、そのラックの周りで素早く仕掛けたりと、よく動くチームです。特に12番の立川理道選手がラインをコントロールすると、システムが機能してやっかいです」

――日本代表のようなティア2の(国際ラグビーの勢力分布図上、2番手グループに位置する)チームと戦う意味は。

「相手がティア2でも、タフなものです。今回は時差ボケで朝の4時ごろに起きてしまう選手もいるみたいです。こうしたことは、各自が対策していかなければならない。良く寝て、当日にエナジーを保てるように。集中力が切れたら危険です」

――日本の蒸し暑さへの対策は。

「暑さというより、(当日予想される)雨対策が大事だと思っていました。幸い、ここ2日間の練習は雨のなかでおこなわれました。雨のなかでボールコントロールし、戦術を展開することができた。ここまでの練習を踏まえて、必要であればゲームプランを変えてゆくこともできます。助けになりました」

――日本代表をどう観ていて、どう戦いたいか(※)。

「ワールドカップで培った自信とスーパーラグビー(国際リーグ。日本からサンウルブズが参戦)での経験がクロスオーバーされると思います。改めて言えば、日本代表は非常に速いチームです。

こちら側のポイントは、序盤をいかにコントロールできるか、また、相手のエナジーレベル(勢い)に対応できるかどうか。体力を浪費したくないので、シンプルにやっていきたいです。セットプレーも丁寧に」

――日本代表は、ヘッドコーチに代行を立てた状態です(※)。

「ハメットに関しては、クルセイダーズ時代に一緒にやっていたので良く知っている。今回のチームにも、いい変化をもたらすのではないでしょうか。今回、ハメットがどういう23名を選ぶかはわかりませんが、チームがマシンとして機能し出したら、ラックからどんどん展開できるようになる。気を付けなければ」

――日本で警戒している選手は(※)。

「田中(史朗、スクラムハーフ)選手と言いたいところですが、怪我をしたということで…。誰かと言うより、スクラムがキーです。日本の第1列の選手は素晴らしい。ラインアウトリーダーもいい。(ナンバーエイトのアマナキ・レレイ・)マフィ、フランカーの)ツイ(ヘンドリック)、(ウイングの)山田(章仁、今回は不参加)もいいと思う。ワールドカップでは、マフィに手こずりました。ただ、日本代表の怖さは、チームとして機能した時の強さです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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