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帝京大学の松田力也、冷や汗の日本代表デビューを振り返る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
帝京大学ではゴールキッカーも務める。高い成功率。(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

大学選手権7連覇中の帝京大学で副キャプテンを務める松田力也が、日本代表デビューを果たした。

現地時間6月11日、敵地バンクーバーのB.Cプレイススタジアムでのカナダ代表戦に後半36分から出場。当時、チームは9点リードしていたが、松田の登場後にカナダ代表の猛追撃が起こる。ノーサイド直前は、自陣ゴールラインを背に4点リードを守り切った。

今回渡航した唯一の大学生だった松田は、身長181センチ、体重92キロの22歳。京都の伏見工業高校時代から、攻撃スキルと勝負強さを買われていた。

以下、カナダ代表戦直後の松田の一問一答の一部(編集箇所あり。全て当方質問)。

――テストマッチデビュー。出場するや、苦しい時間が続きました。

「自分が入ってからアタックでボールを触る機会もありませんでしたし、ずっとディフェンスで。正直、自分が入ってから負けるというのは嫌なパターンで、それを、考えてしまいましたね」

――その猛攻を受けた場面。「もっとこうしていれば」というものはありましたか。

「終わってから(スタンドオフの田村)優さんにアドバイスをもらったんですが、もっと周りとコミュニケーションを取って、足を使ってディフェンスすれば、もっと前で止められた。コネクション…(チームメイトとの連携)。これからの課題です」

――では、いい勉強ができた、とも取れますね。

「そうですね。(デビューできたのは)嬉しい反面、課題も残りました。ここから自分がどれだけ成長できるかは、自分にかかっている。ステップアップしたいです」

――練習やその後の風景を拝察するに、先輩たちと仲良くやっているようですが。

「本当にかわいがってもらっているので、そのなかで盗めるものを盗んで、成長に繋げて行きたいです」

――遠征中、日本の週刊誌で退部した元部員の事件報道がありました。

「問題が起きたことは残念だと思います。これからさらに自分に厳しく正しいことを判断して、一丸となってやるしかない。気を引き締めて、2度とこういうことが起きないようにしたいと思います」

――改めて、代表選手として。18、25日にスコットランド代表戦がありますが。

「やはり、今日のカナダ代表戦よりレベルが上がる。プレーの精度、自分自身の考えたプレーがさらに必要になる。この舞台に慣れてきたことを活かして、さらにレベルアップをしたい。結果を残したいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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