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サンウルブズ、2連勝ならず。「取り急いだ」(堀江翔太キャプテン)【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
落胆のフィフティーン。(写真:アフロスポーツ)

国際リーグのスーパーラグビーへ日本から初参戦するサンウルブズは5月7日、東京・秩父宮ラグビー場でフォースとの第11節をおこない、22―40で敗れた。4月23日には秩父宮での第9節で、ジャガーズを相手に36-28と歴史的な初白星を奪取。1週間の休みを挟んで2連勝を狙ったが、攻撃時のミスと守備網の乱れに泣いた。

試合後、マーク・ハメットヘッドコーチと堀江翔太キャプテンが会見した。

以下、その時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

ハメット

「非常に残念です。一番残念だと思うのは、前半のエネルギーのなさ。疲れていたわけではないが、チームと一緒に全員で仕事をしなければ、目指すスタイルはできないということ。そこが、ハーフタイムにフォーカスを当てた話です。

ポジティブなことを挙げるとしたら、スーパーラグビーのタフさを再認識させてくれたところかもしれません。やはり、日本ラグビー界もジャガーズ戦勝利で盛り上がったと思いますが、改めて目標ができたのが現状です。このままチームが成長するにあたって、毎週の試練に立ち向かわなくてはならない」

堀江

「前半は山田のトライで上手いことは行ったけど、敵陣に入っていらないペナルティーで相手にチャンスをあげてしまった。試合の初めの方に、もっとしっかりとしたプレーをしておけば。(トライを)取り急いだところもあった。流れを引き寄せるプレーをしていなかった。受け身になった。自分たちのメンタル、どういうプレーを選択するか(を考える上では)プラスになった」

――(当方質問)デビュー戦に苦しむジョン・スチュワート選手を最後まで引っ張り、接点で健闘した大野均選手を途中で代えました。選手交代の意図は。

ハメット 

「冒頭で言ったように、エネルギーが足りないメンバーを交代させた。出たメンバーはいいパフォーマンスしてくれた。キン(大野の愛称)はは前半からいいプレーをしていて。ディフェンスでのラインスピードを上げてくれていた。けれど年は年なので(38歳)。まだまだシーズンが続くので、マネージメントをしなければいけないという意味で代えました」

――「取り急いだ」という言葉について。

堀江

「ボールをファンブルしたところも多かった。ボールキープをしていこうという話はしました。そうしたらリズムは出るから、と。そこを修正して、後半、あれぐらい継続できれば取れると確信した(2トライを奪取)」

――フォースのラインブレイクや連続攻撃について。

堀江

「キックで来るだろうと思っていたので、想定とは違ったところもある。でも、試合になったら切り替えな…と。ディフェンスの組織の部分で、横の選手と意識しながらやっていかなきゃいけないところ、不明確なままディフェンスをしてしまった」

――休み(バイウィーク)明けでしたが。

ハメット 

「我々に関しては、バイウィーク明けにジャパン(アジアラグビーチャンピオンシップに挑戦中)と練習をおこなって、フィジカル面の準備しました。

きょうの結果は、バイウィークが影響によるものではない。求めている強度が足らなかった。インターセプトで点を取られた。また、5―26(前半終了時点でのスコア)のところで余計なプレッシャーがかかった。それが敗因です。今回の試合はサンウルブズよりもフォースのほうが上手だった。いろいろと学ぶことも多かったです」

――「取り急いだ」。具体的に。

堀江 

「単純に言うと、フィフティーフィフティー(一か八かの)パス。ラック作ればいいというのに無理に投げたところが見えた。ここでキープしていければよかった。ただ、きょう、その時にそういう判断をした選手は責めない。今後どう判断するのかは問いかけたいです。チームとしてどう選択すれば勝つ可能性が高まるかを考えて、そういう選択をしていきたい」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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