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最年長、大野均も語った食の重要性。サンウルブズ初の南アフリカ遠征を振り返る【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
日本代表キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)は96。(写真:Haruhiko Otsuka/アフロ)

国際リーグのスーパーラグビーに今季から初参戦する日本のサンウルブズが、4月17日の夜、長期遠征から帰国。37歳でチーム最年長のロック、大野均が取材に応じた。

シンガポール、南アフリカに合計約3週間も滞在し、4戦全敗に終わった。試合のなかった第2節を挟んで開幕7連敗中だ。

特に4月15日の第8節では、記録的な大敗を喫した。南アフリカはブルームフォンティンのフリーステイト・スタジアムで、チーターズに17―92で屈した。遡って4月2日、ポートエリザベスのネルソン・マンデラ・ベイ・スタジアムでは、キングスとの未勝利同士の第6節を28-33で落としていた(それぞれ現地時間)。スクラムやラインアウトといった、大野が関わるプレーの起点で苦しんだ。

チーム初の南アフリカ遠征にあって、ウイングの山田章仁ら怪我人が続出した。日本代表として2度のワールドカップ出場を経験し、レベルズの一員としてスーパーラグビーを経験したことのある堀江も、「お腹、下しました」。体調管理には苦しんでいた。

チームは19日から練習を再開し、23日、東京・秩父宮ラグビー場でジャガーズとの第9節に挑む。

以下、共同取材時の大野の一問一答(編集箇所あり)。

――遠征を振り返って。

「非常にタフなツアーだったし、結果も残念でした。ただ、まだまだシーズンは続く。大敗のなかでもいいプレーもありましたし、反省するところはしっかりと反省して、次のジャガーズ戦に向かっていきたいです」

――(当方質問)改めて「タフ」に感じたことは。

「特別、南アフリカで対戦したからというわけではないですが、やはり(相手の)セットプレー、モールは強いと感じました」

――遠征中は、整備や修正が間に合わなかったのですか。

「ラインアウトに関しては、いいオプションは持っている。あとは自分たちのテンポでやるということ。スクラムはとにかく我慢。こちらから押しに行くのではなく、しっかりと低い姿勢で我慢する」

――チーターズ戦に関して。

「落ち込んでいる選手はいたけど、ハマー(マーク・ハメットヘッドコーチ)、キャプテンの翔太からはポジティブなメッセージが出た。こういう試合もある、と。これで終わったわけではない。前を向いていくしかない」

――(当方質問)試合序盤から大量失点。キックオフ早々、やや疲れているように見受けられましたが。

「しっかりリフレッシュする時間も与えられていた。ハマーもコンディションを優先してくれていた。大きくコンディションが悪かったということはないです。それよりも、試合序盤のチーターズの集中力が、サンウルブズよりも勝っていた」

――食事面での苦労は。

「僕に関してはおいしく食べられた。強いて言えば、お米などの日本食があればよかったということです。日本人の方も応援してくれたのは、心強かったです」

――疲労度は。

「いまは長旅の直後なんで疲れていますけど、明日(18日のオフ)にしっかりと休んで…。自分自身、大幅に疲れているという感覚はないですね」

――チーターズとは第3節(シンガポール・ナショナルスタジアムで31-32と接戦)に続き、2回目の対戦。

「あの時はチーターズが長旅の後だったし、シンガポールという暑い気候のなかだった。その部分での明暗は…分かれたかなと」

――ブルームフォンティンは高地。

「皆、息苦しさは感じていたかもしれない。でもそれは相手も同じ条件なので、言い訳にはできない」

――(当方質問)キングス戦の敗戦はどう乗り越えましたか。

「勝てる感触を持って臨んでいたので、終わった時のチームはがっかりしていました。ただ、いつまでも引きずってはいられないので、翌日、海に入ってリカバリーをして、次に向かって…という感じです」

――どこのチームもシーズンを重ねて整備されている。サンウルブズはどうでしょうか。

「そこは、これから日本に残っているメンバーとともに…。チームがばらばらになっているわけではない。次、頑張ろうという思いで向かっている」

――次に戦うジャガーズの印象。

「フォワードが強い。フォワードの責任として、対処したいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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