トップリーグ3連覇、パナソニック。ロビー・ディーンズ監督が語る成長とは【ラグビー旬な一問一答】
日本最高峰のラグビートップリーグのプレーオフ決勝が1月24日、東京は秩父宮ラグビー場であり、パナソニックが東芝を27-26で制して3連覇を決めた。試合後、就任2季目のロビー・ディーンズ監督が感想を語った。
チームはこの日、ノーサイド直前に1点差に迫られながらも、最後のコンバージョンがそれたことで辛くも勝利。元オーストラリア代表監督で、一時は2016年度以降の日本代表新ヘッドコーチ就任を打診されたと言われているディーンズ監督は、「日本のラグビーシーズンを締めくくるに相応しい試合だった」と述懐した。
以下、共同会見での一問一答の一部。
「ラグビーの全ての要素が出た試合。フォワードがブレイクダウンとセットプレーでしのぎを削り、キック合戦もおこなわれ、東芝さんが勝利をものにする直前のところまできた。試合が終わって、両チームの感情は全く違う感情で終わったと思います。ただ、今シーズン戦ってきた結果として、少しだけ我々が運を引きつけることができたのだと思います。結果はそんなに大切なものではなく、決勝戦にふさわしい戦いができた(ことが意味深い)」
――最後のコンバージョンはどんな気持ちで観ていましたか。その直前、センターのJPピーターセンが飛び出した裏側を大きく突破されていましたが。
「あのキックが決まると、JPのトップリーグ最後の試合が最悪の思い出で終わってしまうことを心配していました(来季はイングランドでプレー)。特に今季、彼はいい働きをしてくれていたので。いいことをおこなったものには、いい結果が突いてくるという諺が英語にありますが、まさにその通りになった」
――プレーオフMVPになったヘイデン・パーカーは5本のプレースキックをすべて成功させました。
「そうですね。きょうだけではなく、この3週間のパフォーマンスが素晴らしかった。この大きな大会からメンバー入らなくてはならなかったことは、チャレンジだったと思います(本来の正司令塔は、元オーストラリア代表のベリック・バーンズ)。プレーオフの大舞台への最大の準備は、プレーオフで戦うことが準備になる。ということで、(故障から復帰したバーンズを控えに回し)パーカーを先発に決めました」
――チームの成長は。
「選手間のリーダーシップが全体に備わってきた。堀江(翔太)キャプテンが権限移譲をしながら話しあいを促進させる、ファシリテーションのスキルを持っていた。試合に出ていないメンバーの成長が著しいシーズンだったと思います。端的に言うと、自分たちのオーナーシップのもと(主体性を保って)ゲームをすることができた。それは練習から自分たちのプレーをしてきた、その、成果物です。選手達が成長してきた一方、水間(良武)、相馬(朋和)、堺田(純)、田邉(淳)ら日本人コーチのサポートもあった。(勝利は)偶然の産物ではありません」
――この日、相手への対策ではまったものは。
「ゲーム序盤はキックかランかの判断で迷って、不必要なターンオーバーを与えてしまった部分はありました。自分たちが本当にやりたかったような前に出るプレーを80分間続けるのは、難しかった。理由としては、相手が我々(パナソニックのランナー)を抱え上げるプレーがうまくいったこと、我々が相手の外側から上がってくるディフェンスに対応できなかったこと、相手がブレイクダウンの外側から回り込んだところを(レフリーの)見てもらえなかったことが挙げられます。ただ、全体的には我々の用意した戦略術は機能した」