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怪我は大丈夫? 海外移籍って本当? 日本代表アマナキ・レレイ・マフィが語る【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
驚異の破壊力は世界でも通用。「絶対できる」を繰り返す。(写真:アフロ)

ラグビー日本代表のナンバーエイトであるアマナキ・レレイ・マフィが、またも驚異的なリカバリー能力を示した。

9月23日、グロスターのキングスホルムスタジアムでのスコットランド代表戦(10―45で敗北)の後半初頭にタンカで運ばれて離脱も、「器質的(骨や関節への)異常なし」と診断され、29日、全体練習に復帰した。大会直前まで左股関節脱臼骨折の手術とリハビリに時間を費やしていたとあって、その回復力には誰もが驚いた。

チームは4年に1度あるワールドカップのイングランド大会に参戦中。9月19日の南アフリカ代表戦(ブライトン・コミュニティースタジアム)を34-32で制しながら、続く23日のスコットランド代表戦(グロスター・キングスホルムスタジアム)は落としていた。

予選プールB では1勝1敗、勝ち点4で、5チーム中暫定3位についている。上位2チームが進める決勝トーナメントへ行きたい日本代表にとって、10月3日にあるサモア代表戦(ミルトンキーンズ・スタジアムmk)は負けられない。

マフィは身長189センチ、体重112キロの巨躯ながらスピード豊かで、所属先であるNTTコムのロブ・ペニーヘッドコーチからは「世界中のどこへ行っても通用する」と称賛されている。一部報道ではフランスのプロクラブも獲得の意思を示しているとされる。

以下、共同会見中のマフィの一問一答(一部編集)。

――きょう、本格合流。

「きょうは初めて、コンタクトに入りました。大丈夫です」

――痛めていた箇所は。

「オペをしたところの周りを打撲した感じ。毎日、毎日よくなっています。

X線で検査をしたら『骨はセーフ』だと。いつもポジティブに考えている。痛いのは痛いけど、絶対にできる、と。クリスチャンだから、いつも神様にお願いしている。絶対にできる、と」

――サモア代表戦へは。

「気持ちは、全然、イケる。イケます。自分のパフォーマンスをいつも通りに出す。勝つことが大事」

――相手の印象。

「絶対に、フィジカルに来る。僕も彼らと同じアイランダー(環太平洋諸国出身)だし、やりたいことはわかる。俺たちの仕事はセットピースからずっとボールをキープ。ディフェンスでも前に出てチョップタックル(足元に低く突き刺さる)。絶対、できると思います」

――注目されています。気持ちは。

「…難しいですね…」

――改めて、南アフリカ代表戦に勝った気持ちは。

「初めてのフィーリング。でも、終わったこと。次の試合がベスト8のターゲット。集中してる」

――状態は何パーセント?

「難しいですね。100パーセントのところへ行きたい」

――試合には100パーセント?

「いつも、100パーセント!」

――(当方質問)スコットランド代表戦。途中で退く際の気持ちは。

「もう、ワールドカップは終わりだと思った。でも、神様への祈り、皆の祈りが届いて、いま…(復帰)。すごく嬉しいです」

――あの日は倒れる前から、痛みを抱えながらプレーしていた。

「『JAPAN WAY』。その気持ちで、自分のジャージィの意味をわかっていたし、負けられへんと思っていました」

――いまはどんな治療を。

「マッサージ。毎日、毎日、2~3回。朝、昼、晩とスタッフの人がやってくれて…。俺は大丈夫だけど、スタッフの人が大変かな。こんな、でかい身体を」

――奥様のサポートは。

「いつも『頑張れ』とか『無理するな』とか言ってくれる。ただ、この間(スコットランド代表戦後)は初めて、言われたよね。『もう、出なくていい』と。奥さんの気持ちはわかる。でも、ベスト8の夢はまだ叶ってないから」

――改めて、ワールドカップ出場が叶った気持ち。

「初めてのワールドカップ。怪我をした時の夢は『ワールドカップに間に合う』ということ。すごく嬉しい。これから毎日、アピールして、世界に自分のことを示して、スターになりたい」

――(当方質問)その意味では、一部で報道されている海外移籍についてはいかがですか。

「オファー? いろいろ来てはいるけど、(報道は)自分でもちょっとびっくりした。まだオフィシャルじゃないから、チームの名前は言えない。たぶん、これからだと思う。いまはとりあえずジャパンのゲームにフォーカスする」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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