Yahoo!ニュース

ベテランとの差、日本代表の軸。ワールドカップメンバー外の宇佐美和彦、独白【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター

8月26日まで日本代表に帯同も、9月開幕のワールドカップイングランド大会登録メンバーから外れた宇佐美和彦が、5日、独占取材に応じた。

立命館大の3年だった2012年の夏に初めてジャパン候補となった宇佐美は、若手ロックとして将来を嘱望される。身長197センチ、体重112キロという恵まれたサイズ、低い姿勢でのタックル、倒れてもすぐに起き上がる機動力が買われ、今春、テストマッチ(国同士の真剣勝負)でデビュー。ここまで4キャップ(テストマッチ出場数)を獲得していた。

8月31日に発表された登録メンバー31名からの落選は、宮崎での合宿中の26日に知らされた。現在はバックアップメンバーとして所属先のキヤノンの一員として待機。この日は東京・秩父宮ラグビー場で、国内最高峰トップリーグのプレシーズンリーグ第1節をスタンドで見届けた(豊田自動織機と14―14で引き分け)。

以下、メインスタンド出口付近における単独取材での一問一答。

――今週は。

「ジャパンから帰って来て、1週間だけオフをもらいました。来週から、動きます。ただ、ウッチー(=内田啓介、パナソニックのスクラムハーフ)も垣永(真之介、サントリーのプロップ)も試合に出ている(いずれも現在はバックアップメンバーで、8月26日まで宇佐美とともに代表合宿に参加)。すごいなぁ、と」

――代表離脱について。

「これは、言っていいんですかね…」

――エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は概ね明かしています。

「26日の朝に、エディーさんから直接『31人には入ってない』と。次の2019年(ワールドカップ日本大会)には中心として入れるように、とも言ってもらいました」

――その後のチームミーティングが。

「そうですね。そのあと選手だけのミーティングがあって。そこでリーチさん(マイケル、フランカー、キャプテン)が、外れた人の名前を順番に言って…」

――それが、現時点では代表として最後の活動。

「もう、落ちた身なので、しっかり切り替えて、素直に応援です。バックアップメンバーとして、いつでも行けるように準備していきます」

――宇佐美選手のいるロック陣には、大野均選手、伊藤鐘史選手、トンプソン ルーク選手と、30歳以上の選手が並んでいます。

「オンとオフの切り替えがすごい。やる時はやる。休む時は休む。僕は、そこが足りていなかったのかな、と」

――スーパーラグビー組の存在。

「リーチさん(チーフスでプレー)と田中史朗さん(スクラムハーフ、ハイランダーズでプレー)が(7月以降)スーパーラグビーから帰って来て(現地のシーズン終了後に代表へ合流)、すぐに皆と常に喋って、引っ張っていました」

――では、いまの日本代表のキーマンはあの2人で間違いない、と。

「そうですね。あとは、堀江(翔太、フッカー、副将)さんです。ずっと、リーダーシップを取っていました」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事