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愛弟子、トウタイ・ケフ ジャパンのエディー・ジョーンズヘッドコーチの情熱を語る【ラグビー雑記帳】

向風見也ラグビーライター
豪州代表時代のケフ。(写真:ロイター/アフロ)

ラグビーの元オーストラリア代表で60キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を保持するトウタイ・ケフが、今秋のワールドカップイングランド大会や日本代表などについて語った。

現役時代の公式サイズは「191センチ、114キロ」でニックネームは「ボス」。力強くスキルフルな名物ナンバーエイトとして活躍した。現在は2010年度まで6シーズンプレーしたクボタ(国内最高峰のトップリーグに加盟)でHCを務めており、日本代表の司令塔候補である立川理道らを指導する。

ワールドカップには選手として1999年のウェールズ大会、トンガ代表のアシスタントコーチとして2011年のニュージーランド大会に参加。オーストラリア代表時代には、いまのジャパンで指揮を執るエディー・ジョーンズ監督のもとでもプレー経験がある。いまでも定期的に連絡を取り合っているようだ。

以下、一問一答。

――もうすぐ、ワールドカップ。ジョーンズHCのジャパンを観てどう感じますか。

「エディーさんはテクニカルなところも含め、すごくいい準備をしている。ハードなトレーニングをさせることに重きを置いているので、エディーさんは! エディーさんには私もずっとプレーしてきたなかで最もハードなトレーニングをさせられましたし、エディーさんが最も優れたコーチでした」

――いまでも連絡を取り合っていますか。

「いつもシーズンの終わりに会って話すようにしています。シーズン中はあまり会いませんが、電話ではよく話します」

――情熱的ですか。

「(笑みを浮かべ)はい。僕のチームが試合に負けると、いつも電話がかかってきます。『なぜ? なぜ?』と聞いてきます!」

――ワールドカップまでの準備期間、大事なものは。

「一番大事なことは、自分たちがやっていることを信じてやっているかどうかだと思います。(指導者としては特に)素晴らしいパフォーマンスをして勝てると、選手たちに信じさせることです」

――11年のトンガ代表は、日本代表に31―18で勝利。その背景にも「信」が。

「トンガはいつも仲がいいチームで、国のために、王様ためにプレーすることが彼らのモチベーション。国を代表してプレーすることに、ものすごく誇りを持っています。オーストラリアの時は人によってモチベーションがさまざまでしたが、代表のツアーに家族を連れていくなどしてチームの仲をいいものにしていました」

――クボタの立川選手について。14年度にスーパーラグビー(南半球最高峰)のブランビーズへ留学していますが、再び海外に出る可能性はありますか。

「(個人的な見解として)ワールドカップが終わってから、行って欲しいです。でもたぶん、エディーさんが日本のチームに欲しいと思っているでしょうから(16年度からスーパーラグビーに日本拠点のチームができ、ジョーンズはそのチームのラグビー・オブ・ディレクターに就任)、それが終わるまで待たなきゃいけないかな、と思います。彼にとっては、他のレベルのプロフェッショナリズムを見るのがいい。クボタや代表ではいつも同じ仲間とプレーすることになる。ブランビーズへ行けば、違った状況になる」

――あの時は、途中帰国を余儀なくされていました。

「ハル(立川の愛称)がいた年のブランビーズはけが人も少なく、調子も良かった。だからハルのチャンスは少なかった。でも、ハルはそこで忍耐強くチャンスを待っていたら、プレーできる日も来ると思います」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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