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パウ・クバルシとは、何者なのか。ガビ、ヤマルを超え得る才能の群像と最終ラインの「王」の君臨。

森田泰史スポーツライター
バルセロナで成長するクバルシ(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

今季のバルセロナはヤング・タレントが躍動している。シャビ・エルナンデス監督のラストシーズンで、カンテラーノが活躍しているのは、喜ばしいばかりだ。

なかでも、特筆すべきは、パウ・クバルシだろう。今季、ガビの負傷・長期離脱というニュースに心を痛めたクレが、そのショッキングなニュースによる傷を癒すべく、出てきた才能がクバルシだった。

ナポリとの対戦でオシムヘンをマークしたクバルシ
ナポリとの対戦でオシムヘンをマークしたクバルシ写真:なかしまだいすけ/アフロ

「アクション毎に、全力でいくように努めている。300%の力でプレーできるようにね。相手のFWの動きをよく見て、集中するようにしている。フットボールでは、ファールを厭わない覚悟が必要だけど、常にボールにアタックするように、クリーンなプレーを心掛けている」

「サポーターが自分の名前を叫んでくれるのは、大きな誇りだ。生涯のクラブから認められて嬉しい。新しいカンプ・ノウでも自分の名前を呼んでもらえるように、全力でプレーを続けたい」

シーズン後半戦のマジョルカ戦で、出色のパフォーマンスを見せた後、クバルシはこのように語っていた。

■クバルシのルーツ

クバルシのスペイン語を聞いていて、思う。無論、若さを感じるというのもあるが、小さな街の出身で、常に謙虚さを携えている。

クバルシの地元はエスタニョールだ。バルセロナの郊外、ジローナの近くに位置する場所である。185人が住む小さな街で、フットボールより木造建築が有名であり、大工が多く住む街でもある。

街クラブでプレーを始めたクバルシだが、第一にジローナが、次にバルセロナが彼に触手を伸ばした。11歳でバルセロナのカンテラに入団して、選手としての本格的なキャリアがスタートした。

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■ラ・マシア出身のセンターバック

クバルシは、ラ・マシア(バルセロナの育成寮)出身らしく、テクニックに優れている。センターバックを本職としているが、最終ラインからボールを持ち運ぶことができる。

右CB、左CB、どちらでもプレー可能だ。これもまた、クバルシの特徴だろう。

右利きだが、カンビオ・デ・オリエンタシオン(いわゆるサイドチェンジ)をうまく使いながら、プレス回避できる。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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