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久保建英の将来はどうなる?マジョルカの残留とレアルのプラン。

森田泰史スポーツライター
ドリブルする久保(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

レアル・マドリーが、次のプランを立てようとしている。

マドリーは今夏、キリアン・エムバペを狙っていた。だが先日、エムバペとパリ・サンジェルマンの2025年夏までの契約延長が発表され、マドリーとしては補強を再考する運びとなっている。

そうなると、気になるのは久保建英の去就だ。

パリに残ったエムバペ
パリに残ったエムバペ写真:ムツ・カワモリ/アフロ

■パスポート問題

マドリーは現在、ヴィニシウス・ジュニオール、エデル・ミリトン、ロドリゴ・ゴエスがEU圏外枠の3枠を占めている。

以前より、ヴィニシウスがEUパスポートを取得するべく、マドリーは動いてきた。ただ、現時点で取得決定の一報は届いていない。

何より、ヴィニシウスがEUパスポートを取得したからとはいえ、その枠が久保に譲られるとは限らない。ボルシア・ドルトムントにレンタル中のヘイニエル・ジェズス、この4月にシャフタール・ドネツクから獲得したヴィニシウス・トビアスが、その枠のために控えている。とりわけ、トビアス(来季終了時までのレンタルに買取オプション付/現在Bチームでプレー)に関しては、18歳という若さ、 右サイドバックというポジションから、成長次第でトップチームに食い込んでくる可能性がある。

■美しいブループリント

エムバペ獲得失敗、ヴィニシウスのEUパスポート取得、そして久保のマドリー復帰、これが多くの日本人が描くブループリント(青写真)だろう。実際、そのように報じた方が、PV数や再生回数を稼げるであろうというのは想像に難くない。

久保は2021−22シーズン、1年レンタルでマジョルカに加入した。ビジャレアル、ヘタフェでの厳しい日々を終え、再び出場機会を得るために移籍を決めた。

だが、結論から言えば、そのレンタルは成功とは言い難いものだった。ハビエル・アギーレ監督の就任後、久保のレギュラーポジションは確約されていなかった。

1部の残留争いをしているチームで、レギュラーを奪取できていない選手が、レアル・マドリーでプレーするーー。私には、それがまったく現実的には思えない。

残留を決めたマジョルカ
残留を決めたマジョルカ写真:なかしまだいすけ/アフロ

今季の久保はリーガエスパニョーラで28試合に出場して1得点1アシストを記録している。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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