【10時から16時の庭の水やり禁止】シドニーで罰金付き水の使用制限はじまる
シドニー周辺では6月1日から水の使用が制限されます。
同市でこうした措置が取られるのは2009年以来、10年ぶりのことです。シドニーにおける水の供給源の85%は雨なので、深刻な少雨が続いている今、対策が必要となっているのです。
制限される内容は以下の通りです。
例1: スプリンクラー使用不可
例2:ホースの水の出しっ放し禁止
例3:庭の水やりはバケツか、ノズルが付いたホースでのみ可能。時間は10時以前か16時以降のみ
例4:建物や車の洗浄はバケツか、ノズルまたは高圧洗浄機能が付いたホースでのみ可能
例5:プールの水は自然蒸発した分のみ足せる
例6:新しいプールで水が入っていない場合でも、1万リットル以上は禁止
例7:安全目的か緊急時で道に水を撒くのは可能だが、通常の清掃目的では不可
罰金の金額
違反した場合の罰金は、個人が220豪ドル(1万7千円)、法人が550豪ドル(4万1千円)となっています。ただし、外国人や水使用が不可欠な職種(動物園、カフェ、病院)などは制限が軽減されるようです。
雨の少ないオーストラリア
一体どれほど雨が少ないのでしょうか。
下のグラフは、シドニーの降水量を表しています。青の棒グラフが今年5月までの月間降水量で、オレンジが月平均です。
3月は中旬に大雨が降ったために平均よりも多くなったものの、その他の月はいずれも平均を下回り、4月や5月にいたっては、平年のほぼ10分の1の量となっています。この2ヶ月で1ミリ以上の雨が降った日は、たった5日しかありませんでした。
ダムの貯水率
州政府は、シドニー一帯に降った雨のダムへの流入量が、1940年代以来の最低レベルを記録していると発表しました。31日時点のダムの平均貯水率は53.3%で、去年の同じ時期の73.4%と比べ、20%も少なくなっています。
通常、今回と同等レベルの給水制限が行われるのは、ダムの貯水率が50%を切った時とされています。しかし今回は基準に達する前から対策が講じられるようです。
ただ罰金の規定はあっても、9月までの3ヶ月間は猶予期間とされ、その間は罰金は科されないようです。そのためしばらくは大きな改善は見られないかもしれない、との指摘もあります。